異次元緩和の下支え効果

2014年4月15日 12:44

印刷

記事提供元:フィスコ


*12:44JST 異次元緩和の下支え効果
IMFがG20を前に発表した国際金融安定性報告書で、日銀の異次元緩和の効果を分析している。既に指摘されていることだが、金利チャネル(長期金利の低下ないし一段安定)は合格、期待チャネル(期待インフレ率の上昇)は当面は合格も、消費増税一巡後の長期見通しは不透明、ポート・フォリオ・リバランスは不十分、との見方になっている。

本日の日経報道によると、銀行の国債保有は2月末時点で35兆円減、外国証券、大企業向けおよび中小企業向けがバランスを取りながら増加している。見出しは「銀行、リスク志向ジワリ」。相場の急変に対して、機動的に動けないのは変わらないが、一定の下支え効果、トレンド形成の過程にあると考えられる。投機筋が影を潜めた為替市場の安定につながっている可能性がある。当座預金、いわゆるブタ積みの多さ(債券市場の安定には寄与)や、公的年金運用見直しなど、道半ばと思われる課題も多いが、相場調整がトレンド転換に至ると見るのは尚早であろう。

相場要因としては、海外情勢の影響が大きい。ここに来て、ドラギECB総裁などEU要人が揃って、ユーロ高に強い警告を出している。追加緩和に踏み切る姿勢も見せており、一旦遠のいた日銀の追加緩和観測の再燃、あるいはドル高を強める動きになるか注目される。《MK》

関連記事