【木村隆のマーケット&銘柄観察】オンコリスバイオファーマは利益の本格拡大への期待強い

2014年4月3日 12:55

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  オンコリスバイオファーマ<4588>(東マ)は値ごろ鍛錬の動きが継続している。同社は、「医薬品事業」と「検査薬事業」の二本柱態勢。

  前2013年12月期の業績は、売上げ100万円(前々期3億9600万円)、営業損失6億6500万円(同1億4000万円の損失)となった。内訳は医薬品事業では研究開発が進展しているが、前期については売上げを計上するには至らず、売上げはゼロ。一方、検査薬事業の売上げは100万円。血中浮遊癌細胞(CTC)検査薬として開発を進めている「OPB-1101(テロメスキャンF35)」は、国内医療機関へウイルス検査薬の販売を行った。また、韓国社との間で韓国における事業ライセンス契約交渉を進めることについて合意し、交渉権の対価として収入を得たが、前期には及ばなかった。

  今2014年12月期は売り上げ11億6400万円(前期100万円)、営業損失1億200万円(同6億6500万円の損失)を想定している。)。新規HIV感染症治療薬「OBP-601」のマイルストーン収入が寄与し、売上高は大幅に増加する見通し。「OBP-1101」も売り上げに貢献する見込み。

  同社は、研究開発型の創薬バイオベンチャー企業であり、利益が本格的に拡大するのは、現在開発しているパイプライン(開発中の新薬および新規検査薬の候補品)が上市され、ライセンス導出契約締結先からロイヤリティ収入を得る時期になる。

  それでも、鹿児島大学との新規ウイルス感染症治療薬に関する包括的な共同研究契約、腫瘍溶解ウイルスOBP-301の韓国での臨床試験の開始、金沢大学との共同研究「改良型組換えアデノウイルスを用いた簡便な子宮頸癌早期診断システムの開発」が、科学技術振興機構(JST)の「A-STEPシーズ顕在化タイプ」に採択されるなど、折々の材料に株価は反応するなど、先行きの成長への期待感には強いものがある。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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