【相場熟者が答える投資相談】住友不動産の値下がりがきついので心配、見通しを

2014年3月2日 14:11

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

■住友不動産を3500円で1000株保有しています。値下がりがきついので心配、見通しを(兵庫県・Y)

  【問い】 住友不動産 <8830> を3500円で1000株持っていますが、このところよく下がっています。売却しようか悩んでいますので、アドバイスをよろしくお願いします。

■海外勢の断続売りに押される、配当利回り低く売却を

  【答え】 住友不動産は、2月28日(金)48円安(-1.16%)の4093円と3営業日続落しています。25日に国土交通省が発表した1月時点の地価動向報告で、調査対象の8割強にあたる122地区で3カ月前に比べ上昇し地価の回復基調が鮮明になったものの、上場不動産投資信託(REIT)の配当利回り2.7~7.0%に比べて割高との指摘があり、3月期末を前に海外勢から断続的に売りが出ているようです。

  足元の業績、不動産賃貸事業は既存ビルの空室率改善、住友不動産渋谷ガーデンタワーや住友不動産田町ファーストビルの通期稼動が寄与。不動産販売事業はマンション、戸建、宅地が大幅に増加。完成工事事業は新築そっくりさんが好調で、今3月期業績予想は、売上高7600億円(前期比3.2%増)、営業利益1600億円(同5.7%増)、経常利益1250億円(同8.8%増)、純利益680億円(同13.7%増)を見込んでいます。年間配当は20円を予定しています。

  株価は、12月30日につけた昨年来の高値5410円から調整が続いています。2月13日に今3月期第3四半期決算の好調を発表したにもかかわらず戻りは限定で、9カ月移動平均線を下回り下落基調を強めています。月足では07年2月高値5270円に対する二番天井が形成されたと感じます。日銀がさらなる金融緩和策を打ち出さない限り株価は低迷する可能性が出てきました。4000円を割り込むと3500円前後までフシはありません。配当利回りは0.49%(日経平均採用銘柄の平均は1.49%)と低く、投資妙味に乏しい感は否めませんので、利益が確保できるうちに売却したほうが無難と思われます。(株式評論家・摩周湖)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【鈴木雅光の投信Now】グロソブ純資産残高トップの座を明け渡すか(2013/02/24)
アメイズは成長路線の入り口に立つ、積極拡大路線に転換(2013/02/24)
日立国際電気は半導体製造装置の好調が顕著、さらなる増額が有力(2013/02/24)
【木村隆のマーケット&銘柄観察】戻り歩調継続に期待、前提は出来高のボリュームアップ(2013/02/22)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事