中国の理財商品で損をするのは中国人のみ

2014年2月17日 07:59

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記事提供元:フィスコ


*07:59JST 中国の理財商品で損をするのは中国人のみ
中国の理財商品について、いくつかの案件でデフォルトの懸念が生じたことで、その及ぼす影響について危機を煽る報道が散見される。しかし、中国の理財商品を買っているのはほぼ100%中国の個人投資家で、リーマン・ショック時のように証券化された商品が世界中にばら撒かれているわけではない。理財商品のデフォルトで損を被るのは中国の個人のみなのである。世界的な影響があるとすると中国の経済成長の大きな鈍化があるか否かということになるだろう(中国のGDPは既に日本の約2倍にも達しており成長率鈍化自体は必然であろう)。 また、理財商品は確かに高利回りをうたっているものもあるが、全てデフォルトすると決まったわけではない。現状は、デフォルト懸念が生じた2案件について、「謎の投資家」が現れたり、銀行が資金供給するなどして元本は償還された。このような力業は共産主義国ならではのもので、地方政府や国が「理財商品にデフォルトが発生することにより信用不安が高まるのは防ぐ」という意向を強く持っていることがうかがえる。 おそらく今後も同様の事案が発生する度に、デフォルトを回避する国の強力な指導が働くのであろう。危機が煽られることにより、理財商品が元本保証商品のような様相を呈してきた。
 ただ、理財商品が元本保証ということになるとまたもやモラルハザードの問題が生じるため、中国当局としてはこれ以上の理財商品の拡大は避けたいところだろう。そのため、中国はインフレや不動産価格高騰を受けてやや金融引き締めに傾いてきていたが、信用不安が高まるようだと銀行等の正規ルートによる資金供給の拡大、すなわち金融緩和策に転換するかもしれない。中国は日本のバブル崩壊をよく研究していると言われている。強度の金融引き締め策によりバブルを崩壊させ、その後も金融引き締めを続けて失われた20年を経験した日本の轍は踏まないように施策を打ってくる可能性が高い。《YU》

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