NYの視点:1月FOMCの焦点

2014年1月29日 07:03

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記事提供元:フィスコ


*07:03JST NYの視点:1月FOMCの焦点

28日から29日にかけて米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。新興諸国市場の混乱にもかかわらず、米連邦公開市場委員会(FOMC)は計画通り、12月会合に続き米国国債の購入を現状の400億ドルから350億ドルへ、住宅ローン担保証券(MBS)の購入を350億ドルから300億ドルにそれぞれ削減することを決定すると見られている。また、フォワードガイダンスの変更もないとの見方は市場にほぼ85%織り込まれている。FRBがQE縮小を見送る確率は1%を割る。縮小規模が50億ドルにとどまり12月会合で決定された100億ドル規模から減少する確率は5%に過ぎない。また、フォワードガイダンスを追加または弱めることでハト派に傾斜させる確率はおおよそ10%と見られている。

■FOMCの予想
・100億ドルのQE縮小、フォワードガイダンス変更なし=85%
・FRBがQE縮小を見送る確率は1%を下回る確率=1%以下
・50億ドルのQE縮小の確率=5%
・フォワードガイダンスを追加または弱めることでハト派に傾斜させる確率=約10%

新興諸国通貨はアルゼンチンの通貨切り下げや弱い中国の経済指標、米FRBが量的緩和第3弾(QE3)を今後12カ月にわたり縮小していくことを織り込み下落。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が昨年5月に緩和策の出口戦略のロードマップを提示して以来、特に経常赤字が膨れ上がっている新興諸国、インド、インドネシア、トルコ、ブラジル、南アフリカの通貨が大きく下落した。ただ、「こういった政府は、問題を独自で解決すべき」がFRBの言い分。

12月のFOMCで量的緩和第3弾(QE3)の縮小が決定された直後、2014年度のFOMCメンバーであるフィッシャー米ダラス地区連銀総裁は「株式市場が崩れたとしてもFRBはQE縮小を継続すべきだ」と断固とした姿勢を示した。

14年度のFOMCメンバーのコチャラコタ米ミネアポリス地区連銀総裁はFRBのブラックアウト期間前に実施されたNYタイムズ紙とのインタビユーで、資産購入以外にも金融緩和を供給できる手段があることを理由に、100億ドル規模の量的緩和第3弾(QE3)縮小の決定に反対しない姿勢を表明。同時に、フォワードガイダンスにおける明確性が必要だと主張。同総裁は以前、英フィナンシャルタイムズ紙とのインタビューで、インフレが一向に進展せず経済を刺激するためには一段の措置を講じるべきだとの考えを示した。緩和手段として、1)資産購入策の拡大、2)超過準備預金金利(IOER)をマイナスに引き下げること、3)フォワードガイダンスをさらに明確化し「失業率が6.5%以下に低下したあとも低金利が必要」ではなく、たとえば「中期のインフレ見通しが2%近くであることを条件に、FRBは失業率が5.5-6.5%の間、異例な低金利を維持する」に変更することを挙げていた。ただ、FOMCで支持が得られる可能性は少ないと見られている。

新興諸国問題に関し、ウォールストリートジャーナル紙のFedウォッチャー、ヒルゼンラス氏は、「会合で協議されることは確かで、警戒するだろう。しかし、FRBの経済に関する見通しを変えるとは思われない。また、まだ米国のシステミックリスクに影響することも考えられない」と見ておりQE縮小の継続を予想している。米有力債券ファンド運用会社パシフィック・インベストメント・マネジメント(ピムコ)の最高投資責任者(CIO)であるビル・グロス氏もツィッターの中で、米財政赤字が削減しているためFRBはQEを縮小すべきだとの見解を明らかにした。

FOMCでの協議の焦点は以下の通り。

・FRBの見通しが変ったかどうか
・新興諸国市場の下落がシステミックリスクにつながるかどうか
・マクロ経済の基盤がかわったかどうか

FRBがQE縮小を継続した場合の新興諸国通貨の反応に注目が集まる。《KO》

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