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東芝、英原発会社を買収 安倍政権が推進する、海外への原発輸出が本格化か?
東芝は15日、イギリス原発事業会社ニュージェネレーション(ニュージェン)の株式の60%を取得することで合意したと発表した。取得金額は1億200万ポンド(約170億円)の見込みで、規制当局の承認を得た上で今年前半に取得を完了する予定だという。
昨年末にはスペイン電力大手イベルドローラから50%を取得することで合意しており、さらに仏電力大手GDFスエズから10%を取得する。スエズは引き続き40%を保有する。
東芝は声明で、「買収は将来の主要投資で、安定した安価なエネルギー供給とCO2削減を目指すイギリスを支援する」と発表。さらに「ヨーロッパや他の主要地域でも、世界で最も先進的で安全な加圧水型原子炉AP1000の建設機会を探っていく」と加えた。
【2011年の福島事故以降、日本の原発メーカーは海外進出を模索】
ニュージェンはイギリス北部のムーアサイドで発電能力3.4ギガワットの原発建設を計画している。東芝はここに、傘下の米ウェスチングハウスの新型原子炉AP1000を3基納入する計画だ。英スカイ・ニュースは、2011年の福島第一原発事故以降、国内で棚上げとなった原発新設への関心を再燃させる東芝の試みだと報じた。
なおライバルの日立製作所は、2012年に、イギリス原発事業会社ホライズン・ニュークリア・パワーを買収し、既に原発の建設計画を進めている。
また昨年には、安倍首相が、トルコと黒海沿岸に大規模な原発を建設する契約に合意。2011年の福島事故以来、初めて日本から原発が輸出された。
【イギリスでは新規原発建設の動きが加速】
イギリス政府もまた、低炭素社会を実現するため、原子力を推進している。
東芝のニュージェン買収は、キャメロン首相が推進する「10年以内に老朽化した電力インフラに1100億ポンド投資する計画」に沿うと、インターナショナル・ビジネス・タイムズは報じた。
昨年にはフランス電力公社EDFと、イングランド南西部のヒンクリーポイントCに新規原発2基を160億ポンドで建設する契約を締結した。同契約には、フランス国営原子力企業アレバと中国の原子力企業2社からの出資も盛り込まれている。イギリスの原発新設は20年ぶりとなると英BBCは報じた。
ただ、新設原発への公的支援は公正な競争を妨げる可能性があるとして、欧州連合(EU)が国家補助規制違反の疑いで調査している。
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※この記事はNewSphereより提供を受けて配信しています。
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