【中国から探る日本株】今年はセメント価格が大幅上昇か、過剰生産是正や環境対策強化で

2014年1月16日 08:01

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記事提供元:フィスコ


*08:01JST 【中国から探る日本株】今年はセメント価格が大幅上昇か、過剰生産是正や環境対策強化で
中国では今年、セメント価格が大幅に上昇する可能性が指摘されている。経済の安定成長を背景とした需要の拡大に加えて、過剰生産問題への対応が進むことで需給バランスが改善されるとの見方からだ。政府が環境対策を強化していることも、過剰生産の是正につながると期待されている。

UBSのセクターアナリストは、中国のセメント業界の利益水準が2014年に過去最高を更新する可能性があると分析。需給バランスの改善で価格上昇が見込めるほか、石炭価格の下落が燃料費の圧縮につながるとみている。2014年下期または10-12月期の製品価格が予想以上の上昇傾向を示す可能性もあるとした。

また、中国最大手の安徽コンチセメントは14日、2013年12月通期決算の純利益が前年比で50%以上の増加となる見通しを明らかにした。セメント需要の拡大に加え、業界内で余剰生産能力の整理が進んだことが追い風となった。都市化政策の推進など政策面での恩恵も期待できることから、セメント需要はさらに拡大する見通しだ。

日本のセメントメーカーにとっても、中国での価格上昇は海外事業の改善要因となる。太平洋セメント<5233>、宇部三菱セメント(三菱マテリアル<5711>と宇部興産<4208>の折半出資)、住友大阪セメント<5232>の大手3社がいずれも中国に進出しているが、足元では中国での苦戦が目立っていた。《NT》

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