【木村隆のマーケット&銘柄観察】西松建設は業績好調、建設株のリード役を担う

2014年1月15日 12:23

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  西松建設 <1820> の強い動きが目立ってきた。証券会社がレーティングを最上位に格付けしたことをきっかけに見直し買いが加速、やや停滞気味の建設株の中で出色の強い動きを見せ、建設株の主導的な役割を演じている。

  東京オリンピック、復興関連需要、道路、橋などの補修工事と、建設株の好環境は与件事項である。その分、建設各社の競争が激化しており、そうした中でいかに好採算の受注を確保できるかどうかが建設株選別のポイントになる。

  今2014年3月期業績が増益見通しにある同社が見直されるのも当然の流れである。建設事業については、採算重視の選別受注を実施し、土木事業は総合評価案件の取り組み強化による官公庁工事の受注、建築事業は川上営業・計画受注の成果による民間工事の受注により採算のいい、受注額が順調に伸びている。

  今3月期9月中間決算の営業利益は9億3700万円(前年同期14億9000万円の損失)を確保、通期でも営業利益30億円(同26億6600万円)を見込んでいる。こうした中、中間決算の受注高は国内官公庁が前年同期比83%増、国内民間が同116%増と大きく伸び、全体としても同79%増を確保、今後の業績上伸への土台ができている。アナリスト筋はひとまず今期業績の増額修正、そして来期の連続大幅増益のコースを試算している。

  2012年5月に公表した中期経営計画では、安定的収益基盤の構築、新たな事業の柱の確立(海外、開発不動産)などを基本方針として掲げる。土木事業では、総合評価方式案件への取り組み強化や、海外受注体制の拡充を図る。建築事業では、川上段階からの営業取り組み強化に加え、提案力・コスト競争力を持つ分野の強化・作り込み、施工面における購買力向上、現場生産性の向上などを推進する。足元プラス先行きの展開力評価で、なお見直し余地は大きい。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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