冷静に中小型株物色が続きそう/ランチタイムコメント

2014年1月14日 11:55

印刷

記事提供元:フィスコ


*11:55JST 冷静に中小型株物色が続きそう
 日経平均は大幅に下落。326.17円安の15585.89円(出来高概算15億4000万株)で前場の取引を終えた。先週末の米雇用統計が予想を大きく下回り、米量的金融緩和策の縮小も緩やかなペースになるとの思惑が強まった。週明け13日の米国市場も大幅に下落するなか、この流れを受けて日経平均はギャップ・ダウンで始まった。
 幅広い銘柄が売り先行で始まるなか、日経平均は一時15475.11円と、下げ幅は一時400円を超える局面もみられた。東証1部の騰落銘柄は33業種全てが下げており、証券、保険、海運、鉱業、その他金融、その他製品、ガラス土石、輸送用機器、不動産などの弱さが目立っている。
 指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンク<9984>、ファナック<6954>、ホンダ<7267>、京セラ<6971>などが大幅に下落。一方、日揮<1963>、千代化建<6366>が堅調。為替市場では円相場が朝方の水準からやや円安に振れたこともあり、前引けにかけて下げ渋る展開に。しかし、東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が全体の7割を占めている。
 日経平均はギャップ・ダウンで始まり、15500円を割り込んだ後は下げ幅を縮めているが、25日線が上値抵抗として意識されやすい。マドを空けての下げにより、アイランド・リバーサル(上昇中なら天井のサインとなりやすい)形状になる。15500円割れでいったんは押し目も意識されやすい水準だろうが、積極的にはリバウンドが狙いづらいところである。また、円相場は1ドル103円40銭、1ユーロ141円30銭と、朝方の水準からは円安に振れてきている。しかし、25日線レベルまで調整をみせていたNYダウの反転をみるまでは、主要銘柄への物色は限られそうだ。
 今晩の米国市場では12月の小売売上高の発表が予定されている。12月はクリスマス商戦の影響から期待できそうだが、足元の寒波によって経済への影響が警戒されやすい。再びQE縮小ペースが低下するとの見方に向かわせることにもなりそうだ。
 とはいえ、全般軟調ながら、中小型株への物色は強い。ジャスダック平均、マザーズ指数はプラス圏で推移。東証2部指数はマイナスではあるが、下落率は0.31%と、日経平均の-2.05%、TOPIXの-1.58%と比べ、小幅な下げにとどまっている。日経平均の弱い動きを睨みながら、冷静に中小型株物色が続きそうである。(村瀬智一)《FA》

関連記事