【アナリスト水田雅展の銘柄分析】川崎近海汽船は下値切り上げて強基調に変化なし、今期再増額の可能性も支援材料

2014年1月9日 09:13

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  川崎近海汽船 <9179> (東2)の株価は、急騰して付けた昨年11月高値から一旦反落したが、下値を着実に切り上げて強基調に変化はないだろう。今期(14年3月期)業績再増額の可能性に加えて、海洋資源開発・洋上風力発電関連のテーマ性、指標面の割安感も支援材料だ。

  石炭・木材・鋼材などを輸送する近海部門と、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送の内航部門を展開している。13年5月発表の中期経営計画では、目標値として16年3月期売上高457億円、営業利益28億円、経常利益26億50百万円、純利益17億円を掲げている。

  新規分野として、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備および洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。13年10月にオフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。また外航関連では新規にインドに駐在員を置く方針も示している。

  今期の連結業績見通し(10月31日に増額修正)については、売上高が前期比6.2%増の451億円、営業利益が同5.0%増の18億50百万円、経常利益が同9.3%増の18億円、純利益が同7.3%増の11億50百万円としている。セメント・石灰石・石炭などの輸送量が高水準に推移して、燃料価格の上昇などを吸収する。第2四半期累計(4月~9月)の進捗率は高水準であり、輸送量は引き続き高水準推移が予想されるため通期再増額の可能性が高いだろう。さらに来期(15年3月期)も景気回復を背景として好業績が期待される。

  株価の動きを見ると、急騰して付けた昨年11月高値347円から一旦反落したが、その後も下値切り上げの動きは継続している。足元では300円近辺での短期モミ合いから上放れの動きを強めて、1月8日には318円まで上伸する場面があった。好業績を評価する動きに変化はないようだ。

  1月8日の終値317円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS39円17銭で算出)は8~9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間9円で算出)は2.8%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS741円49銭で算出)は0.4倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。指標面の割安感やテーマ性も支援材料であり、昨年11月高値347円を試すだろう。(ジャーナリスト&アナリスト)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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