【アナリスト水田雅展の銘柄分析】カーリットホールディングスはモミ合いに煮詰まり感、低PBRに見直し余地

2013年12月16日 09:36

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  カーリットホールディングス <4275> の株価は、足元では小幅レンジでのモミ合い展開だが、煮詰まり感も強めている。指標面で低PBRに見直し余地があり、きっかけ次第で動意の可能性があるだろう。

  日本カーリットが設立した純粋持株会社で、13年10月東証1部市場に新規上場した。化薬事業(産業用爆薬、自動車用緊急保安炎筒、危険性評価試験受託など)、化学品事業(塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウム、農薬、電子材料、機能材料など)を主力として、ボトリング事業、シリコンウェーハ事業、その他事業(研削剤、シロアリ防蟻施工、各種耐火・耐熱金物など)を展開している。

  中期経営計画「飛躍500」では、M&A戦略やアライアンス戦略を積極展開する方針を打ち出している。13年10月には一級建築士事務所の総合設計を子会社化して、新たに上下水道施設設計分野に進出した。

  今期(14年3月期)連結業績見通し(10月30日に減額修正)は、売上高が前期比9.1%増の410億円、営業利益が同30.0%増の18億円、経常利益が同24.5%増の19億円、純利益が同31.0%減の11億円としている。計画していたM&A案件の遅れ、第2四半期累計(4月~9月)でのボトリング事業の計画未達成などで増収幅が期初計画に対して縮小する。純利益は前期計上した横浜工場跡地売却一巡も影響する。

  ただし、化薬事業は自動車用緊急保安炎筒の新車装着用の価格改定や、車検交換用の緊急脱出用ガラス破壊機能付き製品「ハイフレヤープラスピック」への交換促進などが寄与して堅調であり、シリコンウェーハ事業は新規顧客開拓に円安メリットなども寄与して通期黒字化を見込んでいる。またボトリング事業はホット飲料対応などで下期の稼働率が向上するようだ。

  なお11月28日、完全子会社となった日本カーリットが保有する当社株式を、当社に対して現物配当し、当社は自己株式として保有(11月29日付、8951株)すると発表した。

  株価の動きを見ると、上場初日の10月1日高値549円から10月9日安値478円までほぼ一本調子に下落し、その後11月中旬以降は概ね490円~500円近辺の小幅レンジでモミ合う展開となっている。調整局面だが下値は徐々に切り上げている。

  12月13日の終値491円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS53円42銭で算出)は9~10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間9円で算出)は1.8%近辺、実績PBR(日本カーリットの前期実績の連結BPS841円00銭で算出)は0.6倍近辺である。週足チャートで見ると三角保ち合いの形だが、指標面で低PBRに見直し余地があり、きっかけ次第で動意の可能性があるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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