【アナリスト水田雅展の銘柄分析】P&Pホールディングスは水準切り上げ、好業績や割安感に再評価余地

2013年12月16日 09:33

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  販売支援や物流業務請負などのP&Pホールディングス <6068> (JQS)の株価は、調整が一巡して水準切り上げの動きを強めている。今期(14年3月期)好業績や指標面の割安感に再評価余地があり、高値圏回帰の動きとなりそうだ。

  12年10月に持株会社に移行して、販売支援などのSPO(セールス・プロセス・アウトソーシング・サービス)事業、倉庫・物流業務請負などのBYS(バックヤードサポート・サービス)事業、人材派遣・紹介などのHR(ヒューマンリソース・サービス)事業、その他(WEBサービスなど)事業を展開している。

  ネット通販市場拡大が追い風であり、M&Aも活用して事業領域拡大に取り組んでいる。13年4月に流通向け建築・内装施工の子会社P&Pデザインを立ち上げ、13年6月には小売・流通向けセールス・プロモーションや伊藤ハム <2284> 生産工場向け人材提供の藤栄テクノサービス(現ジャパンプロスタッフ)を子会社化した。また13年10月には経理アウトソーシング事業のリラインを子会社化した。

  今期連結業績見通しは、売上高が250億円~270億円(前期比8.8%増~17.5%増)、営業利益が6億円~7億円(同18.0%増~37.7%増)、経常利益と純利益は非開示としている。通期見通し下限値に対する第2四半期累計(4月~9月)進捗率は売上高が49.2%、営業利益が28.1%とやや低水準だが、BYS事業はネット通販市場の拡大を追い風に物流拠点作業の需要が高水準であり、コンビニエンスストアの出店拡大に伴って棚卸サービスの需要も拡大基調だ。

  さらに新規連結のジャパンプロスタッフは、下期が伊藤ハム向け繁忙期のため収益への寄与度が高まる。新基幹システム導入による業務効率化の効果や、リラインを活用した管理部門効率化の効果なども寄与する。12月11日発表の連結ベース月次売上動向(前年比、参考値)を見ると、13年11月単月は32.0%増、13年4~11月累計は12.4%増と好調を維持している。通期ベースで好業績が期待されるだろう。

  株価の動きを見ると、11月7日発表の第2四半期累計業績を嫌気する形で急落したが、11月12日の直近安値265円をボトムとして反発した。足元では急落直前の11月7日315円を上抜き、12月13日には前日比13円(4.13%)高の328円まで上伸する場面があった。今期好業績を見直す動きだろう。

  12月13日の終値319円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPSは未公表のため営業利益予想のレンジ中間値を基に推定した連結EPS31円50銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は3.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS308円39銭で算出)は1.0倍近辺である。

  週足チャートで見ると、戻りを押さえていた13週移動平均線と26週移動平均線を突破して上伸した。強基調に転換した形だろう。今期好業績や指標面の割安感に再評価余地があり、高値圏(5月の年初来高値395円)回帰の動きを強めそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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