既得権者との攻防

2013年11月12日 18:01

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記事提供元:フィスコ


*18:01JST 既得権者との攻防
11日付けロイターは、今までベールに包まれていたイラン最高指導者ハメネイ師の資産に迫る記事を配信した。それによると、セタード(Setad)と呼ばれる組織があり、金融、石油、通信、医薬品、農場経営など産業全般に影響を及ぼす活動を行い、その資産規模は年間石油輸出(昨年で674億ドル)を大きく上回る950億ドルに達すると試算している。
イラン国民や在外イラン人などの資産を接収することで成長、法廷を通して放棄地として多大な不動産を所有していると言う(資産内訳は不動産520億ドル、企業資産430億ドル)。判事や議会などがその膨張に組する一大組織と考えられる。6月、米財務省は「イラン指導部の代わりに資産を隠蔽するフロント企業」と指摘し、経済制裁を科した。イラン交渉で、制裁解除に向かった時の取り扱いが注目される。

今年3月の記者会見で、李克強・中国首相は「既得権者の扱いは魂に触れるよりも難しい」と述べたと言う(WSJ紙)。中国の既得権者は国有企業を筆頭に、共産党自身が張り巡らしたネットワークが大部分を握ると見られる。ココが汚職・腐敗の温床だ。開催中の三中全会で国有企業改革が主要議題と伝えられ、その一端として、昨日国営紙チャイナ・デーリーが「国有企業の株式を最大15%取得することを民間投資家に認める方針」と報じた。果たして、投資に耐えられるディスクロージャーを行ない得るのかどうか、民間投資家は広く外資まで開放するのか、未知数な面が多い。三中全会では保守派と改革派の攻防観測も伝えられており、大規模な改革措置が取られることはないと見られている。

先進国の既得権攻防と新興国の既得権者との攻防は質が異なるが、世界経済の動向を推し量るには、攻防から生まれる様々な事件を念頭に置く必要があろう。世界の情勢は、戦後体制の崩壊などで既得権の枠組みにメスを入れる流れにある。《FA》

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