NYの視点:米9月雇用統計にかかわらずQE縮小当面先送りか

2013年10月22日 07:03

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記事提供元:フィスコ


*07:03JST NYの視点:米9月雇用統計にかかわらずQE縮小当面先送りか

米国労働省は22日にワシントンで9月雇用統計を発表する。このデータは政府機関閉鎖前の9月の雇用状況を把握するためや米連邦準備制度理事会(FRB)が現在実施している量的緩和第3弾(QE3)の行方を探る上で重要となる。ブルーンバーグ社が実施した調査によると、ほとんどのエコノミストはFRBがQE縮小を開始するのは14年の3月にずれこむと見ていることがわかった。政府機関の閉鎖が響き10-12月期の成長が滞ることや、これにより経済指標の発表が延期されたことを主な理由に挙げている。政府機関の閉鎖は80万人の連邦職員の一時解雇につながったほか、10-12月期の国内総生産(GDP)を0.3%ポイント減らすと見込まれている。QEの終了は14年10月会合が有力。

2013年度の投票権を有しハト派で知られるエバンス・シカゴ連銀総裁は「12月のQE縮小はかなり困難」との見解を示している。理由として1)12月には経済に一段の抑制がある可能性があること、2) 財政の混乱、3)政府機関閉鎖のあと、雇用市場を見極めるには2-3カ月かかる可能性がある、4) 発表が遅れた経済指標を見極める必要があること、などを挙げた。また、持続的に各月20万人の雇用の増加や失業率の低下が必要であることを再び強調した。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド銀は顧客向けのレポートの中で、雇用統計を受けたQEの行方を以下のように予想している。

1)非農業部門雇用者数で前月比20万人超の雇用の増加に加え、7-8月の上方修正があれば12月FOMCでのQE縮小確率が高まる。
2)13-16万人の雇用は年内の縮小の確率を大きく後退させる。

米国の債務上限問題や予算問題は短期的に解決したが先送りされただけ。マリー上院予算委員長(民主)、ライアン下院予算委員長(共和)の超党派で構成される予算委員会で財政赤字削減など抜本的な財政改革を協議し、12月13日までに結論を得ることを目指す。ただ、1)強制歳出削減された軍事費をとりもどすことや、2)メディケア(高齢者向け医療保険制度)、メディケイド(低所得者向け医療費補助制度)などの社会保障給付金制度の歳出削減を目指している共和党と、1)増税、2)軍事費以外で強制歳出削減された項目分の歳出を取り戻すことを目指している民主党の溝は深い。2014年に米国経済が再び政府機関の閉鎖や債務上限引き上げ問題に直面し、抑制されるリスクはまだ残されている。9月の雇用統計にかかわらず、QEの縮小は当面先送りされるのかも知れない。《KO》

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