【アナリスト水田雅展の銘柄分析】久世はモミ合い煮詰まり上放れのタイミング接近

2013年9月30日 09:19

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  業務用食材卸の久世 <2708> (JQS)の株価はモミ合い展開だが、煮詰まり感を強めている。指標面の割安感も支援材料であり、上放れのタイミングが接近しているようだ。

  1934年創業、1950年設立で、2001年JASDAQ市場に上場した。首都圏を地盤として外食・中食産業向け業務用食材の卸売事業を展開し、子会社のキスコフーズは国内(静岡市)とニュージーランドで業務用高級ソースや高級スープの製造、久世フレッシュワンは東京都内で生鮮野菜など農産品の卸売を手掛けている。

  前期(13年3月期)単体ベースの販売チャネル別売上構成比は、ファーストフード・ファミレス・カフェが31.6%、居酒屋・パブが30.8%、ディナーレストラン・ホテル・会館が20.7%、惣菜・デリカ・娯楽施設・ケータリングが16.9%である。顧客別には居酒屋最大手のモンテローザなど大手飲食チェーンも主要顧客としている。

■中期経営計画で売上1000億円、営業利益20億円

  中期経営計画では、創業85周年の20年3月期に売上高1000億円、営業利益20億円を目指し、重点戦略として首都圏・関西圏・中京圏での販路拡大や全国ネットワーク強化、中食市場や高齢者施設給食市場の開拓強化、PB商品の拡販や製造利益の拡大、そして海外事業の基盤確立などを掲げている。M&Aや提携などのアライアンス戦略も積極化するようだ。

  中京圏では12年6月の酒類販売大手サカツコーポレーションとの業務提携による顧客基盤強化、中食・高齢者施設関連では13年4月の給食・惣菜営業部新設による市場開拓を本格化させている。PB商品は現在「KUZE」「Camino」「Dolceze」「Kitchen Support」の4ブランドを展開し、顧客に対するメニュー提案力も強化している。

  また海外は、中国の成都(現地法人)および上海(上海峰二食品に出資)で業務用食材卸売事業を展開するとともに、キスコフーズのニュージーランド子会社をキスコブランド商品の東南アジア向け生産拠点とする方針だ。

  今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比7.0%増の600億円、営業利益が同2.9%増の5億60百万円、経常利益が同0.3%増の7億円、純利益が同0.6%増の3億70百万円としている。新規顧客開拓の効果などで増収増益の見込みである。

  第1四半期(4月~6月)の連結業績は、売上高が149億52百万円で前年同期比11.0%増収だったが、営業利益は48百万円の赤字(前年同期は44百万円の黒字)、経常利益が1百万円の赤字(同76百万円の黒字)、純利益が18百万円の赤字(同33百万円の黒字)だった。セグメント別に見ると主力の食材卸売事業は同10.2%増収、同62.2%営業減益(全社費用等調整前)、そして食材製造事業は同22.5%増収、同88.4%営業増益、不動産賃貸事業は横ばいだった。

  円安による原材料・商品仕入れ価格の上昇、増収に伴う物流費の増加、人員増に伴う人件費の増加が利益を圧迫した形だが、販売面では既存顧客との取引量増加や新規顧客の獲得などで2桁増収と好調だった。原材料・商品仕入れ価格の上昇に関しては販売価格への転嫁を進めており、期後半に向けて収益改善が期待される。

  なお配当予想を年間12円(期末一括)の安定配当とするとともに、株主優待制度を採用しており、株式保有数に応じてオリジナルブランドの特選無洗米(山形天童産はえぬき)を進呈している。

  株価の動きを見ると、7月の戻り高値圏770円近辺から反落して水準をやや切り下げた。8月29日には一時757円まで上伸する場面があったが人気が続かず、足元は概ね700円近辺の小幅レンジでモミ合う展開だ。ただし6月の安値圏640円~650円近辺の水準まで下押す動きは見られない。モミ合い煮詰まり感も強めており、調整一巡して上放れのタイミングが接近しているようだ。

  9月27日の終値708円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円38銭で算出)は7~8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.7%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1184円88銭で算出)は0.6倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって700円を固める動きのようだ。指標面に割安感があり、モミ合い上放れのタイミングだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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