NYの視点:ドルは短期的に上値の重い展開か

2013年9月24日 07:03

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記事提供元:フィスコ


*07:03JST NYの視点:ドルは短期的に上値の重い展開か

イエレンFRB副議長は10月1日に予定されていたNYのエコノミッククラブでの講演をキャンセルした。ホワイトハウスが、2014年1月末の任期満了にともない退任するとされているバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の後任の発表が近いためと見られている。サマーズ元米財務長官が議長後任候補を辞退したことを受けて、同副議長が最有力候補となった。権力を持っている民主党上院の支持も獲得したため、オバマ米大統領の指名も近いと見られている。

ただ、オバマ米大統領は今週予定されている国連総会(UN General Assembly)での演説を予定しているほか、10月にはアジア訪問を控えている。関係筋によると、今週の発表はないという。1)米連邦準備制度理事会(FRB)が長期にわたり異例な緩和策を維持することを再確認したこと、2)バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長よりもハト派と見られているイエレンFRB副議長が次期FRB議長に指名される可能性が強まったこと、3)米国政府の政府機関が閉鎖されるリスクの上昇は、当面、ドルの上値を抑えると予想される。ドル指数は心理的節目である80手前まで売り込まれており、この水準を割り込むと一段安の可能性もある。ただ、FRBがQE縮小を開始すると、中長期的なドルの上昇局面に入ると考えられる。

市場にサプライズを与えた米連邦公開市場委員会(FOMC)後の米連邦準備制度理事会(FRB)関係者の発言で、タカ派、ハト派いずれのメンバーも先週の量的緩和第3弾(QE3)縮小を見送った決定は僅差で困難なものだったことが明らかになった。10月会合でのQE縮小開始に関しては、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長をはじめ、ブラード・セントルイス連銀総裁がその可能性を否定しなかったことに対し、ロックハート・アトランタ連銀総裁は10月にQE縮小の条件を満たすのは困難だとの見方を示すなど、見解は依然分かれる。

■9月FOMC後のFRB高官の発言

■ハト派メンバー

■ダドリーNY連銀総裁(投票権有)
「経済には引き続き非常に緩和的な政策が必要」
「QE縮小は経済雇用市場次第」
「QE縮小は引き締め政策ではない、また、早期の利上げを示唆するものでもない」
「失業率が6.5%に達したあと、長期間利上げを見送ることも可能」
「経済は緩やかに改善」
「逆風が経済の改善と相殺」
「主要な逆風は財政や金利の上昇」
「最近の財政協議は経済の成長見通しに影響する」
「FRBは逆風に対するため力強く対応する必要」
「経済には引き続き非常に緩和的な政策が必要」
「経済が回復すれば労働市場への参加者も増える」
「QEは有効」
「QE縮小は経済指標次第」
「住宅ローン金利の上昇が住宅市場に与える影響を見たい」

■ブラード・セントルイス連銀総裁(投票権有)
「「9月会合のQE縮小見送りの決定は、僅差だった」
「10月の会合で、小規模のQE縮小の可能性も」
「10月の会合後、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見も可能」
「弱い米国経済で、QE縮小を先送り」
「100億ドルのQE縮小と、縮小をまったくおこなわないことに、大して差はない」
「イエレンFRB副議長が後任議長となれば方針は継続へ」
「7%の失業率はQEの目安として弱い」
「インフレが1.5%以下ならFRBは金利を引き上げるべきでない」
「インフレが1%以下に割り込んだら追加QEが必要」
「1.5%のインフレ下限の設定で、市場に自信をあたえることができる」

■ロックハート・アトランタ連銀総裁(投票権なし)
「10月の会合でQE縮小の条件を満たすと予想するのは困難」

■タカ派メンバー

■ジョージ米カンザスシティー地区連銀総裁(投票権有)
「QEを縮小しなかったFRBの決定に失望」
「市場は雇用市場の大幅な進展を予想」
「FRBのフォワードガイダンスへの市場の信頼が必要」
「遂行の無いシグナルは、政策の意図を損なう」
「QE縮小を支持するにはインフレの加速が必要」
「QEを維持するコストに焦点をあてる」
「FRBの決定は混乱をもたらす」

■フィッシャー米ダラス連銀総裁(投票権なし)
「先週のQE見送りの決定は非常に僅差で困難」
「QE縮小をしなかったことはFRBの政策に不透明感を与えた」
「QE縮小をするようFOMCを説得した」
「ホワイトハウスは次期FRB議長に関しての処置を誤った」
「次期FRB議長は公の協議になるべきではない」《KO》

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