ファーストリテ、オーイズミなど／本日の注目個別銘柄

<9983> ファーストリテ 36450 -2250売り優勢。前日に発表した第3四半期の決算内容がネガティブ視されている。3-5月期営業利益は274億円で前年同期比1％減益、350億円程度がコンセンサスであったとみられ、マイナスインパクトが強まる状況。既存店売上高の好調が目立っていたこともあり、減益決算には意外感が強いもよう。値引き販売に伴う粗利益率の低下が想定以上の格好に。通期の市場予想は会社計画を上回る水準であったと見られるが、会社計画達成にも不透明感が強まる。

<9831> ヤマダ電機 4595 +145買い優勢。前日に6月の月次動向を発表、単体ベースの売上高は前年同月比10.0％増となり、一昨年12月以来のプラス転換になっている。同社の他、先に発表した3社も含め、大手4社が全てプラスに転じている。個人消費関連の中では、業績好転が最も遅れていた分野とも捉えられ、見直しの動きが強まる余地大きいとの見方にも。ビックカメラ<3048>やベスト電器<8175>などの株価上昇も目立っている。

<6054> リブセンス 5530 +190大幅高。前日に発表した業績予想の上方修正が買い材料視されている。上半期営業利益は7.1億円の従来予想から9.3億円に引き上げ、新たにスタートさせたＷｅｂプロモーションの効果が想定以上になっているもよう。第1四半期の実績からは上振れ期待も高まったとみられるが、成長力の高さを改めて評価する動きに。なお、通期収益予想の修正は小幅にとどまっているが、保守的との見方が強いようだ。

<9716> 乃村工藝社 850 +110急伸。前日に第1四半期の決算を発表、営業利益は16.8億円となり、前年同期の赤字から大幅な黒字に転換へ。つれて、上半期計画は従来の7.5億円から19億円にまで上方修正している。アパレル関連店舗の出店や改装が相次いでいるほか、消費税率引き上げを見据えた住宅関連など各種ショールームの新装・改装などを数多く受注としている。修正幅の大きさにポジティブなインパクトが先行。

<6371> 椿本チエイン 627 +37買い優勢。ＳＭＢＣ日興証券では投資判断を新規に「１」、目標株価を720円としている。完成車メーカー各社の国内生産増加が同社の収益改善につながると想定、今期営業利益予想は会社計画137億円を上回る152億円と予想している。また、新3ヵ年の中期経営計画も発表されるとみられるため中長期的成長にも注目と。

<6428> オーイズミ 1139 +116大幅高。特に個別の材料は観測されないが、同社の他に日金銭なども高く、カジノ関連として関心が高まる状況とみられる。参院選を来週末に控える状況下、政策期待などは高まりやすく、足元では、不動産やノンバンク、建設などが循環物色される格好になっている。カジノ関連にも政策期待の動きが波及する流れとみられる。来週もこうした循環物色の動きは広がっていく可能性。

<5202> 日本板硝子 113 +11買い優勢。三菱ＵＦＪでは、ガラスセクター3社を新規にカバレッジしている。旭硝子<5201>、日本電気硝子<5214>を新規「ニュートラル」としているのに対し、同社は目標株価140円で新規に「アウトパフォーム」格付けへ。建築用・自動車用ガラスは今後本格的な収益改善が期待でき、これら事業のエクスポージャーが高い同社に注目と。大胆なリストラ実施に伴う効果なども期待と。

<5423> 東京製鐵 456 +30しっかり。新日鉄住金<5401>はＨ形鋼の価格を7月受注分から4％引き上げる方針を打ち出したと伝わっている。同社なども値上げのタイミングをうかがっていると。建設需要の拡大が背景とされており、Ｈ形鋼が主体の同社などは、市況上昇に伴う収益の改善期待が高まる方向に。共英製鋼<5440>など他の電炉株の刺激材料にもつながっている。

<7735> スクリーン 578 +31強い動きが目立つ。大和では半導体製造装置業界のレポートをリリースしている。後工程装置メーカーの利益確定を推奨する一方、ＴＳＭＣの20nmプロセス量産投資関連が大きなビジネスチャンスとなる前工程装置メーカーを投資対象として注目としている。とりわけ、ＴＳＭＣ関連との位置づけが高い同社に注目が向かう格好。

<7731> ニコン 2256 +28しっかり。クレディ・スイス（ＣＳ）では投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に格上げ、目標株価を2600円としている。秋口に向けて、レンズ交換式カメラ市況の回復が期待され、再び潜在成長率の高さを織り込んで行くと判断している。足元は業績懸念で低調なパフォーマンスが目立っていたが、押し目買いのきっかけにつながる状況のようだ。《FA》