為替週間見通し: 黒田バズーカ砲第2弾、長期資金供給オペ(LTRO)を見極める展開

2013年6月8日 15:26

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記事提供元:フィスコ

*15:26JST 為替週間見通し: 黒田バズーカ砲第2弾、長期資金供給オペ(LTRO)を見極める展開
■安倍政権の成長戦略とFRBの出口戦略への失望売り

ドル・円は、米国の景況感低迷を受けた米国連邦準備理事会(FRB)の出口戦略の後退観測によるドル売り、安倍政権の成長戦略第3弾への失望売りで、100円73銭から一時94円98銭まで下落した。しかしながら、7日発表の5月の米非農業部門就業者数は前月比+17.5万人で市場予想を上回ったことでドルは97円台まで戻した。6月決算の大手ヘッジファンドが、安倍トレード(日本株買い・円売り)ポジションを手仕舞ったことで、東京株式市場の下落、ドル・円の下落が加速する場面があったが、リスク回避的なドル売りは7日で一段落となった。

取引レンジは、94円98銭から100円73銭となった。

■黒田バズーカ砲第2弾、長期資金供給オペ(LTRO)を見極める展開

今後のドル・円は、日本銀行金融政策決定会合で黒田バズーカ砲第2弾となる長期資金供給オペ(LTRO)が導入されるか否かを見極める展開となる。ドル高・円安材料としては、米国10年債利回りの上昇、東京株式市場の下げ止まり、長期資金供給オペ(LTRO)の導入。ドル安・円高材料としては、日本国債10年物利回りの上昇、東京株式市場の続落、長期資金供給オペ(LTRO)の導入が見送られた場合。

■年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用弾力化

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、運用資産の基本ポートフォリオ比率を変更した。国内債券は67%(乖離許容幅±8%)から60%、国内株式は11%(±6%)から12%、外国債券を8%(±5%)から11%、外国株式を9%(±5%)から12%へ見直された。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2012年12月末の運用資産額は、111兆9296億円。内訳は、国内債券が67.3兆円(60.14%)、国内株式が14.5兆円(12.92%)、外国債券が11兆円(9.82%)、外国株式が14.4兆円(12.90%)。外貨建て資産へ最大限投資された場合、約10兆円規模の増額となることで、ドル買い・円売り要因となる。

■日本銀行金融政策決定会合(10-11日)

日本銀行金融政策決定会合では、日本銀行版「長期資金供給オペ(LTRO)」となる、期間2年以上の資金供給オペの導入が検討される。導入された場合は、国債市場の安定化要因、円安要因となる。

■日本4月の経常収支(10日)

日本の4月の経常収支は、3309億円の経常黒字が予想されており、3月の1兆2512億円の経常黒字が減少することが予想されている。経常黒字の減少は、ドル・円相場の下支え要因となる。

■日本の1-3月期国内総生産(GDP)改定値(10日)

日本の1-3月期国内総生産(GDP)改定値は、前期比年率+3.5%と、速報値と変わらずと予想されている。注目ポイントは、デフレーターが速報値の前年比-1.2%から改善しているか否かとなる。

■成長戦略の閣議決定(14日)

安倍内閣は、成長戦略第1弾、2弾、3弾を発表してきたが、14日に閣議決定する予定となっている。アベノミクス(財政出動策・金融緩和策・成長戦略)の材料出尽くしから、6月決算のヘッジファンドによる安倍トレード(日本株買い・円売り)の手仕舞いに警戒する展開となる。

主な予定は、10日(月):(日)4月国際収支、14日(金):(米)5月生産者物価指数、(米)5月鉱工業生産・設備稼働率


[予想レンジ]
ドル・円94円00銭-99円00銭
《FA》

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