(インド)シン首相訪日、つきまとう中国の影/コラム

2013年5月28日 13:22

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記事提供元:フィスコ

 インドのシン首相が27日から日本を訪問しているが、日印関係緊密化に向けた努力の背後には常に“中国の影”がつきまとっている。

 日本が2015年までに両国の貿易総額を240億米ドルに拡大させる「野心的な」戦略を示す一方、中国は同年までにインドとの通商規模を1000億米ドルまで膨張させる方針を示した。

 インド現地紙によると、政府関係者を含む多くの人が日本との関係強化をスローダウンさせ、中国に配慮すべきだと主張しているという。

 この報道は後にインド政府によって否定され、別のメディアでは「中国への配慮をやめて日本との結びつきを強化すべきだ」との主張が掲載されている(エコノミック・タイムス:電子版、27日付)。

 シン首相の訪日期間が当初の2日間から3日間に延長されるなど、今回のイベントでインド政府による日本重視の姿勢が前面に出された面もある。とはいえ、貿易目標で4分の1の規模しか提示できない日本が小さく映ることも否定できない。

 日本とインドはともに中国と領土問題を抱えており、利害関係が一致する面が多いものの、中国の経済規模に押される可能性には注意が必要になる。

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