「突っ込み買い」できれば後半相場のタネ玉に、ここは『相場は相場に聞く』ところ=犬丸正寛の相場展望

2013年5月24日 16:03

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 23日(木)に日経平均は1143円安の大きい下げとなって今年4月1日以来の30日線を下回った。明けて、翌24日(金)は前場では524円高の1万5007円と反発したものの、後場は再び下げに転じ前日の終値(14438円)を下回ってしまった。つまり、30日線を2日連続で下回ることとなり、この結果、向こう1~2月を展望した場合、相場の地合いが悪化、調整の続くことが予想される。

 昨年秋のアベノミクス相場が始まって以降、初めての大きい下げである。「これまで、どこを買っても、何を買っても儲かる相場で買い安心感が充満していただけに冷水を浴びせられた。とくに、この間の出来高が非常に多かったことから処分売りが一巡するには、もう少し時間が必要だろう」(中堅証券)。

 3月期決算が一巡し、「2014年3月期の好調と1ドル・105円までの円安は、ひとまず織り込んだ。アベノミクス成長戦略が控えているものの、すぐに効果が現れるというものでもないだけに材料的には、しばらく空白になる」(同)。

 そうなると、頼りになる材料としては、「暑い夏」、「7月に発表の第1四半期決算」、「東京都議選&参議院選挙」などが予想される。とくに、今年の夏は4年連続の暑い夏という予報だからサマーストックが例年以上に活躍する可能性はあるだろう。選挙では自民党の勝利は揺るぐことはなさそうで、相場的には織り込んでいるとみられるが、ムサシなどの選挙関連銘柄が動く可能性はありそうだ。ただ、第1四半期決算発表において、通期(2014年3月期)を上方修正することはなさそうで、全体相場には中立材料で個別に見直されるていどだろう。

 外資系ファンドの決算ということもあって、株価が戻れば利益確定売りの出ることも予想される。また、今度の下げで処分売りができず躊躇している投資家も多いはずで戻りが鈍いということになれば本格的な処分売りも予想されrそうだ。

 もちろん、相場の基調は強い。「民主党から自民党へ政権交代」、「人もセメントも大切という公共投資の増加」、「デフレからインフレへ」、「都会だけでなく地方も活性化」、といった基本とな政策に変化はない。基調は強い相場の中で買い付いたた投資家の投げをどこで買うかによって、今年後半相場の「タネ玉」となるから、ここからの突っ込みはチャンスでもある。ここは、『相場は相場に聞け』の姿勢で、「コツン」と底打ちの音がするのを見逃さないことだろう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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