武田薬品、米ワクチン開発企業を約35億円で買収

2013年5月8日 12:06

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 武田薬品工業は8日、米ワクチン開発企業のInviragen, Inc.(本社:米コロラド州)と、武田アメリカ・ホールディングスInc.(武田薬品の100%子会社)がInviragen社を買収することについて合意したと発表した。

 同買収は、今後必要な手続き等を経て14日以内に完了する見込み。同買収契約に基づき、武田アメリカ・ホールディングスは契約一時金として3,500万ドル(約35億円)をInviragen社に支払う。また、武田薬品は、将来、開発の進捗および販売に応じたマイルストンを最大2億1,500万ドル(約212億円)支払う可能性がある。

 Inviragen社は、生ワクチンと不活化ワクチンの研究開発に特化し、米ウィコンシン州およびシンガポールに拠点を有するバイオ関連企業であり、現在、デング熱などに対するワクチンを開発している。

 同買収によって武田薬品は、ワクチンの開発パイプラインを拡充するとともに、Inviragen社が開発しているワクチンの対象疾患が多いシンガポールの同社開発サイトを獲得することにより、ワクチンの研究開発能力を強化する。

 さらに、武田薬品は、現在保有するウィルス様粒子技術や細胞培養技術などのワクチン製造に関する基盤技術に加え、Inviragen社の生ワクチンと不活化ワクチンの基盤技術を獲得する。買収完了後、Inviragen社は武田薬品のワクチンビジネス部の傘下に入り、研究開発活動を継続する予定。

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