【話題】積み上がった信用買残の影響は

2013年3月3日 20:21

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■円安一服と共に株化の上値重い要因に

  3月1日の株式市場では、不動産、倉庫、銀行などの金融緩和メリット・含み資産関連セクターが牽引する展開となり、内需関連セクターを中心に昨年来高値を更新する銘柄も続出した。一方で、主力の輸出関連セクターの一角では上値の重さが目立ち始めている。この要因には円安進行の一服に加えて、信用買い残高の増加による取組悪化もありそうだ。

  東京証券取引所が発表した3市場信用取引残高(東京・大阪・名古屋の3市場、制度信用と一般信用の合計)によると、直近の2月22日申し込み時点の信用買い残高は1兆9808億円だった。9週連続増加で10年7月2日時点の1兆9836億円以来の高水準となっている。一方、信用売り残高は323億円増加の6032億円で3週ぶりに増加した。

  1月以降の信用買い残高と信用倍率の推移を見ると、1月11日現在が1兆5046億円(前週比1737億円増加)で2.55倍、18日現在が1兆5713億円(同667億円増加)で2.56倍、25日現在が1兆6678億円(同964億円増加)で2.74倍、2月1日現在が1兆7237億円(同804億円増加)で2.82倍、8日現在が1兆9041億円(同1804億円増加)で3.19倍、15日現在が1兆9300億円(同258億円増加)で3.38倍、そして22日現在が1兆9808億円(同508億円増加)で3.28倍となっている。

  東証1部市場の1日当たり売買代金が2兆円を超える活況が続き、その間に信用買い残高が積み上がった形だが、信用買い残高の増加とともに取組も急速に悪化している。押し目らしい局面がないため、12月から1月の上昇局面で買えなかった投資家が押し目を待ち切れずに買っているとの見方もあるが、信用買い残高がこれだけ高水準に積み上がって取組が悪化すれば、常識的には一旦は調整が入ると考えるべきだろう。

  2月以降の株式市場で日経平均株価は為替に神経質な展開となり、先物主導で荒い展開となる場面も見られる。そして2月15日~16日のG20財務相・中央銀行総裁会議以降に為替の円安進行が一服感を強めたこともあり、主力の輸出関連セクターでは信用取組の悪化とともに上値が重くなる銘柄が目立ち始めている。

  海外要因の懸念材料が指摘されながらも、国内要因の「アベノミクス」効果による強い先高期待感で市場に楽観ムードが広がり、米国株式市場でダウ工業株30種平均株価が史上最高値に迫っていることも強気ムードに繋がっているようだ。ただし、株価上昇に対して懐疑的な見方があまり聞かれなくなったことに加えて、「個人投資家が証券口座の新規開設に殺到して会社四季報が書店で在庫切れになるような状況は、経験則的に目先の天井近しを感じさせる」(中堅証券)との声も。為替が一段と円安方向に傾けば新たな上昇局面入りも期待されるが、為替が現状水準でモミ合う展開が続くようであれば、株価は輸出関連セクターを中心に一旦調整局面入りして、信用買い残高の整理待ちとなる可能性があることも頭の片隅に置いておきたい。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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