NTTコムなど、アジア主要都市をつなぐ光海底ケーブルの香港ルートを運用開始

2013年2月19日 19:14

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ASEルート図(画像:富士通)

ASEルート図(画像:富士通)[写真拡大]

 NTTコミュニケーションズ(略称:NTT Com)は19日、Telekom Malaysia(本社:マレーシア)、PLDT(本社:フィリピン)、StarHub(本社:シンガポール)と共同で建設を進めてきた、アジア主要都市を結ぶ高信頼・低遅延の大容量光海底ケーブル「Asia Submarine-cable Express」(略称:ASE)について、今回香港向けのルートが完成し、2013年2月8日より運用開始したと発表した。これにより、ASEは2012年8月20日に運用開始した日本・マレーシア・フィリピン・シンガポールを結ぶルートを含め、当初予定していた全てのルートが開通したことになる。

 ASEは、地震や台風といった自然災害の多発地域である台湾南沖バシー海峡付近を回避するとともに、日本から香港、シンガポールまでのケーブル敷設距離を最短ルートで設計することで、高い信頼性と低遅延を実現している。総延長は約7,800kmで、設計容量は15Tbps以上、陸揚げ地は日本、フィリピン、シンガポール、マレーシア、香港。

 ASEの香港ルートは、NTT Comが香港の将軍澳(チュンクワンオウ)に建設した「香港TKOデータセンター」(2013年春に提供開始予定)に直接陸揚げされており、そのままデータセンターのサーバールームと直結している。これにより、アジア主要都市と香港TKOデータセンターを結ぶネットワークサービスを、従来よりも低遅延かつ低コストで提供できるようになる。

 また、NTT Comが自ら保有する海底ケーブルとデータセンターのもと、ネットワークサービスやクラウドサービスなどを一体的に提供できるため、顧客はより信頼性の高いグローバルICT基盤の構築が可能となる。金融商品の高頻度取引などマイクロ秒を争う金融機関の顧客にも最適。

 今後NTT Comは、主に東南アジア(特にメコンエリア)にASEの陸揚げ国を拡大していく予定。また、グローバルデータセンターも一層拡充し、高品質なネットワークサービスとデータセンター、クラウドサービスをエンド・エンドかつワンストップで提供していく。

 なお、ASEの建設では、NECが海底機器(海底ケーブル、海底中継装置、OADM分岐装置)、海底監視装置と給電装置を、富士通が波長多重伝送端局装置とネットワーク監視装置を供給した。

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