三菱航空機、米スカイウェストとMRJ100機購入などで契約締結

2012年12月14日 11:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 三菱航空機が、90席クラスの三菱リージョナルジェット(MRJ90)100機購入、並びにオプション100機追加の正式契約を米スカイウェスト社と締結したと発表。スカイウェスト社へのMRJ納入は2017年に開始し、オプションが実施された場合の納入開始は2021年となる予定。100機購入の総額は、MRJ90のリストプライスで42億ドル、100機分のオプションが追加されれば更に42億ドル増加となる。

 三菱航空機は、三菱重工・トヨタ自動車・三菱商事・住友商事・三井物産他数社が出資し、資本金1000億円で設立されたもの。MRJの設計、型式証明取得、資材調達、販売、カスタマー・サポートなどを実施する会社として2008年4月1日に事業を開始した。今回正式契約となったMRJは70~90席クラスの次世代民間旅客機で、世界最先端の空力設計技術、騒音解析技術や最新鋭エンジンの採用などにより、大幅な燃費低減と騒音・排出ガスの削減を実現している。一方のスカイウェスト社は、米国で2社のリージョナルエアラインを保有する持ち株会社で、2社を合わせたリージョナル運航は、世界最大を誇る。

 今回の正式契約は、今年7月に基本合意していたもの。今回の契約以外にもMRJはこれまでに、全日本空輸から25機(確定15機、オプション10機)、米トランス・ステーツ・ホールディングス社から100機(確定50機、オプション50機)、ANI Group Holdingsから5機(確定5機)を受注している。

 2008年から続く景気後退による慮客数減少を要因として、航空機の受注は一時減少したものの、燃費効率の良い次世代型航空機の受注は近年増加傾向にあり、ジェトロの調査によると、2006年以降の5年間で航空機の売上高は年平均5.6%の増加を達成。また、今後も年平均0.4%の伸びを達成し、2016年の同業界売上高は、2011年が1885億円であったのに対し1924億円にまで拡大すると予想されている。新興国での需要増も見込まれるだけに、日本企業がどこまでシェアを伸ばすことができるのか、今後最も注目を集める業界の一つではないだろうか。

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