基調は強いものの、投票直前で小休止、出遅れ銘柄物色=犬丸正寛の相場展望

2012年12月7日 16:38

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■直近で時価総額23兆円増加、消費にプラス効果も

  来週(10日~14日)は、『選挙待ちの小休止相場』の展開となりそうだ。

  衆議院選挙の投票を16日(日)に控え、来週は直前の1週間だ。自民党勝利が伝えられているものの、政治は水ものといわれ結果を見るまで安心できない。それに、北朝鮮のミサイル発射予告が迫っていることも気掛かりだ。

  マーケット内部要因でも、日経平均と30日線との上方乖離率が4%程度と、警戒水準に達している。小休止があってよいところではある。

  相場の基調そのものは強い。政権交代が実現することは、ほぼ間違い見通しで、これまでの分配優先から競争力をつけ稼ぐことを主とした政策へ転換が予想されることは産業界にもマーケットにも大きい材料である。また、政権が変われば停滞している中国外交面にも展望が開ける可能性はある。

  経済効果ということでは、日経平均の足元の安値となった11月13日から11%超上昇したことで東証での株式時価総額が約23兆円増えたことが指摘できる。株保有者には気分の良いことであり、「資産効果」による消費への期待が持てる。実際、最近、証券会社へ個人投資家の問い合わせが増えているという。今後さらに日経平均が1万円に乗せてくれば、景気に明るさが大きく加わるものと期待できる。

  ただ、気になるのは選挙において自民党の勝ち方だ。事前に自民党圧勝と報道されているため、もしも逆が出て僅差の勝利だった場合は、日経平均は予想外の下げとなる可能性もある。

  来週は基調としては強いものの、様子見気分は強まりそうで、下値不安のなさそうな出遅れ銘柄を物色するていどの相場にとどまりそうだ。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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