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【株式評論家の視点】ファーストリテ急落、売上1兆円超予想も利益が市場期待値下回る
<銘柄ウオッチ>
ファーストリテイリング <9983> は、1890円安の1万5920円と3日続落している。前日11日大引け後に2012年8月期決算を発表、今期売上高を今年10月3日の観測報道通りに1兆560億円(前期比13%増)と好調予想。しかし、肝心の今期利益予想が市場コンセンサスを下回ったことが響き目先の利益を確定する売り物が増勢となっている。また、前期発表の業績が昨年の下方修正値を下ぶれたことも嫌気された。
今期業績は、売り上げが1兆円を超し、経常利益が1425億円(同13%増)、純利益が845億円(同17%増)と予想され、純利益は、連続して過去最高を更新する。前期に国内で直営店を24店舗を新規出店(閉店22店舗)したのに続いて、今期は9店舗の純増を計画、海外で前期の66店舗に続き82店舗の大量出店を継続、収益面では生産工場の加工賃上昇などのコストアップが続くが、値引率のコントロールや経費削減、海外でも経費、粗利益率をコントロールして連続増益となる。ただ利益は、市場コンセンサスを57億円~33億円下回る。
なお前期業績は、昨年7月の下方修正値を利益が57億円~73億円下回ったが、前々期比16%経常増益、31%純益増益と増益転換して2期ぶりに過去最高を更新した。
株価は、銀座大型旗艦店開店で年初来高値1万9150円(4月2日)をつけたあと、増額修正・減額修正が交錯する前期業績の修正や国内月次売上高の増減に反応して1万5140円(6月)まで調整していた。今日の下げで1万8000円を挟んだモミ合いを下放れた。人気銘柄のため常に、足元より先行きへの期待が先行する銘柄で、期待値より悪いと株価が大きく下げる宿命を背負っている。ただ、日経平均株価への影響度の大きい銘柄。売り逆日歩のつく信用好需給と綱引きして、強弱感の対立が激化しよう。(株式評論家・隆盛)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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