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クリーク・アンド・リバー社:売上高、営業・経常・純利益の全項目で過去最高
■プロフェショナルに対するニーズは旺盛
クリーク・アンド・リバー社 <4763> (JQS)は4日、第2四半期決算を発表し、同日本社で決算説明会を開催した。
9月27日に上方修正を発表しているように、業績は順調に推移している。
今期13年2月期第2四半期連結業績は、売上高91億79百万円(前年同期比18.0%増)、営業利益6億33百万円(同56.4%増)、経常利益6億33百万円(同49.3%増)、純利益2億78百万円(同61.6%増)と大幅増収増益で着地。
代表取締役社長井川幸広氏は第2四半期を振り返り、「売上高、営業利益、経常利益、純利益の全ての項目において、この上半期は過去最高の業績となりました。また、プロフェショナルに対するニーズは旺盛で、既存のエージェンシー事業が順調に伸長し、グループ全社で売上高、営業利益、経常利益で増収増益を達成いたしました。更に、期初計画を上回る進捗状況を鑑み、連結業績予想の上方修正を発表いたしました」と語った。
セグメント別の売上高、営業利益は、クリエイティブ分野(日本)54億66百万円(同10.2%増)、3億9百万円(同41.6%増)、クリエイティブ分野(韓国)10億87百万円(同10.6%増)、20百万円(同53.8%増)、医療分野12億38百万円(同10.3%増)、2億74百万円(同33.0%増)、IT・法曹・会計他14億41百万円(同83.3%増)、26百万円(前年同期△38百万円)となっている。尚、第2四半期(6月~8月)の売上高は48億46百万円と4半期ベースでは過去最高の売上高を記録した。
13年2月期通期業績予想に対する進捗率は、売上高52.4%、営業利益70.3%、経常利益70.3%、純利益69.5%となっていることから、利益面での再度の上方修正の可能性が高い。
■法曹分野の弁護士は毎月80人から100人のペースで増加
下半期については、「プロフェッショナルに対するニーズは堅調で、既存エージェンシー事業は引き続き順調に推移するものと見ています。まず、日本のクリエイティブ分野、韓国でのクリエイティブ分野は、9月現在で、過去最高の派遣稼働者数となりました。医療分野では、今年度内に国内拠点を更に高松、那覇に新設し、全国的な医師不足に対応します。IT・法曹・会計分野では、登録者数の増加により、順調に稼働者・成約者が増加する見込みです。例えば、法曹分野の弁護士は、日本全国で3万3000人程ですが、その中の約4,750人が既に登録していて、毎月80人から100人のペースで増加しています。これらのことから、既存事業は順調に推移すると見ています。一方、新規事業については、今後は、如何に収益へと結び付けることが出来るかが、次期以降の飛躍的な成長へのポイントとなります」(井川幸広社長)と語っている。
現在進行している新規事業は、日本、中国、台湾、韓国を結ぶ出版エージェンシー事業、IPTV通販事業、自社開発によるソーシャルアプリの配信(SAP事業)、電子書籍取次事業、新分野のプロフェッショナル・エージェンシーへの進出等が挙げられる。
■8月31日に中国の書籍「上海、カタツムリの家」をプレジデント社より刊行
出版エージェンシー事業では、日本、中国、台湾、韓国間で出版物の版権を扱う出版エージェンシー事業を展開していて、成約タイトル数は1年半で約600タイトル。中でも注目されるのが、8月31日に中国の書籍をプレジデント社より「上海、カタツムリの家」を刊行した。上海に住む人々の生活を描いたベストセラー小説。TVドラマ化され人気を博したが、内容があまりにも中国の暗部をリアルに描いているということから、放送開始1週間後に放送が中止されたという話題の小説。
また、尖閣諸島を日本が国有化したことの影響については、「成約している600タイトルのうち、3タイトルが出版延期となりましたが、その他は以前の契約通りで進行しています。9月18日には、中国の出版社より『日中間の政治的な問題が起きているが、ビジネスはこれまで通り進行したいと考えている』という内容の連絡があるなど、ビジネス上は影響が少ないと見ています」(井川幸広社長)と説明している。
中国で展開するIPTVを用いたTV通販事業は、日中間の政治的問題もあり、サービス名称を、日本館から桜花(さくら)館に変更した。また、商品追加の遅延等があり進捗に遅れが出ている。
自社開発によるソーシャルアプリの配信では、グリー、ミクシィ―、モバゲーといった3つのプラットフォームに、10タイトルのソーシャルゲームを配信し、運営している。
■9月中旬より、楽天Koboで電子書籍1,500タイトルの配信開始
電子書籍取次事業では、9月中旬より、楽天Koboで、クリーク・アンド・リバー社の取次による電子書籍1,500タイトルの配信を開始している。また、10月現在、50社の出版社と取次契約を締結し、10,000タイトルの配信許諾を得ている。更に、Amazon Kindleと合わせて、今期中に20,000タイトルの取次成約を目指す。今期中は収益をほとんど見込んでいないが、取次いだ書籍のダウンロード数に応じて、収益が還元されるシステムになっている。更に、中国の市場70%を占めている漢王と業務提携していることから、日本市場だけでなく、中国市場でも書籍の配信事業が見込め、大きな差別化となり、事業展開は優位といえる。
新分野のプロフェッショナル・エージェンシーへの進出に関しては、一級建築士、工業デザイナー、機械・電機設計エンジニア、バイオ研究者、素材研究者といったプロフェッショナルの市場への進出を視野に入れているが、現在最も具体的に進捗しているのが、一級建築士の分野である。
今期第2四半期業績が予想以上のペースで進んでいることから、通期連結業績予想も上方修正した。
13年2月期連結業績予想は、売上高175億円(前期比10.9%増)、営業利益9億円(同33.2%増)、経常利益9億円(同23.4%増)、純利益4億円(同57.5%増)と増収大幅増益を見込む。
既存事業が好業績であるうえに、新分野のプロフェッショナル・エージェンシーへの進出も今後大いに見込めるため、同社の事業拡大は期待できる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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