【アナリストの眼】ケンコーマヨネーズ、株価上放れの機熟す、業績は上ブレの可能性も

2012年9月10日 11:09

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【今、この銘柄】

  ケンコーマヨネーズ <2915> は、マヨネーズ・ドレッシング類の大手メーカーで、量販店、コンビニエンスストア、外食向けなど業務用のマヨネーズ・ドレッシング類、サラダ類、タマゴ加工品を主力製品としている。中期経営計画で打ち出した「サラダカフェ」「サラダ料理」「世界のソース」「タマゴ製品」といった新規事業領域の拡大戦略が順調に進展している。海外展開も中国・杭州で生産を開始したのに続き、インドネシアに合弁会社を設立しており、事業展開が本格化する模様だ。

  足元の業績は好調である。今期(13年3月期)第1四半期(4~6月期)は、拡販などによる増収効果で操業度が上昇し、営業利益が前年同期比2.3倍、経常利益が同2.2倍、純利益が同2.9倍の大幅増益となり、期初時点の想定を上回った模様である。通期の会社予想に対する進捗率を見ても、営業利益が34.0%、経常利益が35.0%、純利益が40.6%と高水準であり、第2四半期(7~9月期)以降も卵などの主要原料価格が落ち着いた状況であれば、通期上振れの可能性が高まるだろう。

  株価の動きを見ると、8月中旬以降はやや小動きで、概ね640円~660円近辺の小幅レンジでモミ合う展開となっている。7日の終値653円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS75円29銭で算出)は8~9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は3%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS949円44銭で算出)は0.6倍台となる。

  日足チャートで見るとモミ合い展開の煮詰まり感を強めており、さらに週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなる形で下値を切り上げている。短期的なモミ合いから上放れを窺う態勢だろう。7月3日に付けた戻り高値665円を突破すれば上昇トレンド確認の形となり、4月16日の年初来高値690円が視野に入る。通期業績上振れの可能性や指標面の割安感を考慮すれば、さらに上値追いの可能性があるだろう。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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