東京エレクトロン、ライフサイエンス分野の共同研究を開始

2012年9月4日 13:16

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 東京エレクトロンは4日、公益財団法人先端医療振興財団(神戸市)と共同で、iPS細胞などの多能性幹細胞を用いた細胞治療の実現に向けた新しい細胞培養および検査手法の研究を開始すると発表した。「東京エレクトロンが半導体製造装置事業で培った有形・無形の知見や技術力は、ライフサイエンス分野においても応用できる可能性があると考えている。これらの技術が、異業種と融合することにより、新たな分野にも寄与できることを期待している」と同社はコメントしている。

 世界的な人口爆発、また高齢化により、医療を中心とするライフサイエンス分野でのイノベーションが求められている。従来技術では不可能だった根本治癒を可能とする細胞治療の実現を目指し、iPS細胞などの多能性幹細胞を用いた研究が大学などの研究機関を中心に活発に行われている。一方、その実用化のために必要な培養・検査技術の規格化はこれからであり、現在の人手を介した培養・検査方法では細胞の品質のばらつきが大きく、安全性を担保できないことからも、培養条件を均一にし、環境要素を制御するための新たな技術が必要とされている。これらの技術が確立されることにより、安全性と品質に関する規格化が可能となり、細胞治療の臨床応用が加速されることになるという。

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