テルモ、オリンパスに対して損害賠償請求訴訟を提起 請求額は約66億円

2012年8月1日 22:24

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 テルモは1日、オリンパスに対して損害賠償請求訴訟を提起したと発表した。

 テルモは、2005年8月にオリンパスと資本提携を行った際、オリンパスより普通株式681万1,000株、総額約150億円にのぼる第三者割当増資を引受けている。テルモは、当該第三者割当に係る有価証券届出書等の虚偽記載に伴う損害賠償請求権について、その対応を慎重に検討し、オリンパスにも説明してきた。しかし、「8月上旬の権利行使期限が迫ってきたため、上場会社としての株主への責任を全うするというガバナンスの観点から、やむを得ず、本訴訟を提起した」と、今回の訴訟に至った経緯についてテルモは説明している。

 なお、損害賠償請求額は66億1166万9,900円及びこれに対する遅延損害金。また、テルモは、現時点においては今回の訴訟が同社の2013年3月期の業績予想に与える影響は不明だが、今後の訴訟の進展に伴い、業績予想への影響が明らかになった場合は速やかに開示するとしている。

 さらに、テルモは現在、オリンパスに対して経営統合を提案しているが、そのことに関して同社は、「本訴訟は、テルモのオリンパス社に対する統合提案に何ら影響を与えるものではない」とコメントしている。

 一方、同訴訟についてオリンパスは、「今後、請求内容を精査した上で対応させていただく予定」とコメントしている。また、オリンパスは、「本訴訟はテルモが第三者割当の形態で発行市場において当社株式を取得したことによるものであり、提訴可能な期間内において当社株式を発行市場で取得しているのはテルモのみであるため、本件以外に同じ根拠規定に基づく訴訟が提起される可能性はないと理解している」とし、今後連鎖的に同様の損害賠償請求訴訟が提起される可能性を否定している。

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