『夏相場9000円台も』、4月に続いて「2日新甫」で警戒感も=犬丸正寛の相場展望

2012年6月30日 09:26

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

来週(7月2日~6日)は、夏相場のスタート。9000円乗せから、うまく行けば9207~9332円どころにある「マド埋め展開」も見込めそうだ。

来週(7月2日~6日)は、夏相場のスタート。9000円乗せから、うまく行けば9207~9332円どころにある「マド埋め展開」も見込めそうだ。[写真拡大]

  来週(7月2日~6日)は、夏相場のスタート。9000円乗せから、うまく行けば9207~9332円どころにある「マド埋め展開」も見込めそうだ。しかし、7月は今年4月に続いて、『2日新甫』に当っている。上値に対し深追いは避けたいところでもある。

  崩れそうで、底堅く推移しているNYダウの動きも日本のマーケットには支え。去る、25日以降、NYダウは幾度か大きく下げる場面があった。しかし、場中では安いものの終値では戻している。いわゆる、「下ヒゲ」の長い、典型的な「下値用なし」の動きだ。もちろん、25日線は維持している。

  欧州会議で、ユーロに対する政策が緊縮政策だけでなく経済成長策も打ち出されたことがある。約12兆円規模のインフラ投資が行われる。「どれほどの効果となるか」、「本当に強気できる材料か」ということについては今の段階では分からないものの、ひとまずマーケットに対し下支え効果が予想される。ただ、欧州が小康状態となる分、アメリカの景気対策期待は引っ込むこととなりそうだ。

  NYでは下値抵抗力があると見た売り方が買い戻しを積極化させることも予想される。このため、NYダウは75日線の1万2830ドル(28日終値は1万2602ドル)程度まで反発が予想される。

  連れて、日経平均も夏相場期待から今年5月14日以来となる9000円台に乗せた。7月から自然エネルギーによる電力買取も始まる。日本が脱原発・自然エネルギー立国への第一歩としての評価も高まるだろう。しかも、タイミングよく、日本の経済水域・南鳥島に220年分にも相当する「レアアース」のあることが報道されている。クリーンエネルギーとレアアースで、技術立国再生にむけてのシナリオが描けそうだ。

  うまく行けば日経平均は今年5月上旬につけた9207~9332円の「マド開け」を埋めることもありそうだ。ただ、注意が必要な点は、7月は今年4月に続いて、月初の立会いが2日の月曜日から始まる「2日新甫」に当っていることだ。「2日新甫は荒れる」として警戒される。実際、4月は2日の1万0190円から6月4日の安値8238円まで19%強も大きく下げている。

  しかも、例年、7~9月は出来高が年間でも少ない季節で主力銘柄は動き難い。この季節はマーケットの主役である外国人投資家のバカンスシーズンということもある。7月上旬、高い場面があっても気を許していると外国人投資家が売り逃げて休暇入りということにもなりかねない。個人投資家は、外国人投資家が多く持っていないような小型銘柄に投資するのがよいだろう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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