【株式市況を検証】ギリシャのユーロ圏離脱の可能性が薄れ安心感が広がる

2012年6月25日 09:20

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【株式市場フラッシュ(6月18日~22日の日本株式市場)】

★日経平均株価、TOPIXともに3週連続上昇で底入れ感、潮目に変化

  6月18日~22日の日本株式市場は、週間ベースで日経平均株価が229円03銭(2.68%)上昇、TOPIXが24.35ポイント(3.36%)上昇し、いずれも週間ベースでは3週連続の上昇となった。

  ギリシャ問題やスペイン問題に対する警戒感、世界的な景気減速に対する警戒感などに大きな変化はないが、ギリシャ再選挙、G20首脳会議、米FOMC(連邦公開市場委員会)という重要イベントを通過して堅調な展開となった。日本市場は底入れ感を強めており、潮目の変化も感じさせる1週間だった。

  1週間の動きを簡単に整理すると、週初18日は大幅上昇した。前日17日のギリシャ再選挙で緊縮財政支持派の新民主主義党(ND)が第1党となったため、ギリシャのユーロ圏離脱の可能性が薄れたとして安心感が広がった。

  19日はスペイン問題に対する警戒感などで下落したが、20日は米FOMCを通過して為替が円安方向に傾いたことが支援材料となり上昇した。

  また21日は、中国6月製造業PMIの悪化を受けて、中国などアジアの主要株式市場が大幅下落したにもかかわらず、日本市場は上昇した。さらに22日は、前日21日の米国株式市場が大幅下落したにもかかわらず、日本市場は小幅な下落にとどまり、意外なほどに堅調な展開となった。

  21日、22日ともに為替が円安方向に傾いたことが支援材料だったが、MSCIのカテゴリー変更で韓国や台湾が先進国指数入りしなかったため、日本市場に資金が向かっているとの見方もあるようだ。さらに7月の日銀金融政策決定会合での追加緩和に対する期待感もあり、特に週後半は潮目の変化を印象付けた。

  今週の主要国・地域の動向を簡単に整理すると、17日のギリシャ再選挙で緊縮財政支持派の新民主主義党(ND)が第1党、緊縮財政反対派の急進左派連合(SYRIZA)が第2党となった。そして20日には、ND主導で全ギリシャ社会主義運動(PASOK)と民主左派党が新連立政権を樹立することに合意した。

  一方で、スペイン10年債利回りが7%台に上昇する場面があり、市場の関心がギリシャからスペインに移行する形となった。なお22日の独仏伊スペイン4カ国首脳会談では、ユーロ圏GDPの1%相当の1300億ユーロ規模の成長支援で大筋合意した模様である。

  米国では、19日~20日の米FOMCで、実質的なゼロ金利である現状の政策金利(FF金利)を少なくとも14年末まで正当化すると予想し、短期債を売却して長期債を購入するオペレーション・ツイストを12年末まで半年間延長することを決定した。また米実質GDP伸び率の見通しを下方修正した。バーナンキ米FRB議長は記者会見で「必要があれば追加緩和の準備がある」とした。しかし市場の一部が期待していた量的緩和策第3弾(QE3)は見送られたため、株式市場では失望感がやや優勢になった。外国為替市場ではドル買い・円売り優勢の流れとなった。

  また21日には、米新規失業保険申請件数、米5月中古住宅販売件数、米6月フィラデルフィア地区連銀製造業景気指数、米6月製造業PMI速報値など主要経済指標が概ね低調な内容となり、景気減速に対する警戒感を強めた。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは21日、世界の大手金融機関15社の格付け引き下げを発表した。

  中国では、21日に金融大手HSBCが発表した中国6月製造業PMI(購買担当者景気指数)速報値が48.1となり、好不況の分かれ目となる50を8カ月連続で下回ったため、景気減速に対する警戒感を強めた。

  日本では、20日の5月貿易統計(通関ベース)速報で、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が9072億円の赤字となった。3カ月連続の赤字で市場予想以上に赤字額が拡大したが反応は限定的だった。

  外国為替市場では、ギリシャのユーロ圏離脱に対する警戒感の後退や、米FOMC通過後のQE3に対する期待感の後退で、対ドル、対ユーロともに円売り優勢の流れとなった。週末22日の海外市場で終盤は1ドル=80円40銭近辺、1ユーロ=101円10銭近辺だった。

  日経平均株価の終値ベースで騰落状況を見ると、週初18日は前日比151円70銭(1.77%)高と大幅続伸、19日は前日比65円15銭(0.75%)安と3営業日ぶり反落、20日は前日比96円44銭(1.11%)高と反発、21日は前日比71円76銭(0.82%)高と続伸、22日は前日比25円72銭(0.29%)安と3営業日ぶり反落した。日中の値幅は18日が55円07銭、19日が82円20銭、20日が59円19銭、21日が68円18銭、22日が98円55銭だった。

  日経平均株価の週末22日の終値は8798円35銭となり、前週末15日の終値8569円32銭に比べて229円03銭(2.68%)上昇した。週間ベースでは3週連続の上昇となった。取引時間中ベースの週間高値は21日の8859円04銭、週間安値は19日の8630円66銭で、1週間の取引時間中の値幅は228円38銭だった。

  TOPIXの週間騰落状況を見ると、週末22日の終値は750.92で、前週末15日の終値726.57に比べて24.35ポイント(3.36%)上昇した。週間ベースでは3週連続の上昇となった。取引時間中ベースの週間高値は21日の756.35、週間安値は19日の732.93だった。22日時点のNT倍率は11.72倍で、前週末15日時点の11.79倍に比べて0.07ポイント低下した。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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