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【相場展望】大勢はギリシャ問題に神経質な展開だが、売られ過ぎ感も強く一旦は自律反発の可能性
【来週(5月28日~6月1日)の株式市場見通し】
■週初は様子見ムードの強いスタート
来週(5月28日~6月1日)の日本株式市場については、大勢としてはギリシャのユーロ圏離脱に対する警戒感が強く、海外の株式市場や外国為替市場の動向を睨みながら、神経質な展開が継続しそうだ。
前週末25日の米国株式市場で主要株価指数は下落した。そして週初28日は米国株式市場が休場となることもあり、週初28日の日本株式市場は様子見ムードの強いスタートだろう。
その後は、週末6月1日に米5月雇用統計という重要イベントを控えているうえに、基本的には6月17日のギリシャ再選挙まで、ギリシャのユーロ圏離脱の可能性とその影響、さらにはスペインなどへの波及懸念を巡り、ユーロ圏の要人発言やギリシャの世論調査などにも神経質な展開だろう。
ただし、日経平均株価、TOPIXともに前週まで8週連続の下落となり、売られ過ぎ感も強まっている。
そして前週(5月21日~25日)の週間下落率は、日経平均株価が30円92銭(0.36%)、TOPIXが3.43ポイント(0.48%)と、いずれも小幅にとどまり、目先の下げ止まり感も感じられる。週後半には、日経平均株価8500円近辺で、リスク回避の売りにも一服感が見られただけに、当面の下値のメドとして意識され、一旦は自律反発の展開となる可能性があるだろう。
需給面では、海外ヘッジファンドなどの決算に向けた売りがピークアウトする可能性もあり、注目点となるだろう。
13年3月期の企業収益が概ね改善基調であることに、あらためて着目するどうかも焦点だが、市場全体の地合いが冷え込んでいるだけに、引き続き好材料銘柄の個別物色が中心の展開となりそうだ。中小型株を中心に反発の兆しを見せている銘柄も少なくないだけに、こうした銘柄に注目しておきたい。
前週のギリシャ問題やユーロ圏の動向を整理しておくと、23日のEU非公式首脳会議では、ギリシャが財政再建策を履行してユーロ圏にとどまることを求めることで一致した。また6月下旬の首脳会議でEUの成長戦略を取りまとめることや、EIB(欧州投資銀行)に対して100億ユーロ増資する方針を確認した。さらに有望な公共事業などの資金の一部をEUが保証するプロジェクト債も検討するとした。しかしユーロ共同債に関しては独仏の溝が埋まらなかった。
これに対して、ギリシャのユーロ圏離脱に対する警戒感を払しょくするだけの具体策を欠いた、との受け止め方が大勢だった。
また週末25日の海外市場では、スペイン・カタルーニャ州の知事が、今年の債務借り換えに向けた選択肢が尽きつつあると述べ、中央政府の支援が必要であることが伝わると市場は警戒感を強めた。格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)がスペインの銀行大手5行の格付けを引き下げたことや、スペインの大手銀行バンキアが政府に対して190億ユーロの資金注入を要請したことも警戒感につながった。
外国為替市場ではリスク回避のユーロ売りが加速した。24日にはユーロ・円相場で1ユーロ=99円台前半、25日にはユーロ・ドル相場で1ユーロ=1.24ドル台までユーロが売られる場面があった。一方でドル・円相場はやや小動きだった。また週末25日の海外市場で終盤は1ドル=79円60銭~70銭近辺、1ユーロ=99円60銭~70銭近辺だった。
■注目スケジュール
来週の注目スケジュールとしては、国内では5月28日の4月企業向けサービス価格指数、日銀金融政策決定会合(4月27日分)議事要旨、29日の4月有効求人倍率、4月完全失業率、4月家計調査、4月商業販売統計、30日の5月製造業PMI、5月上旬貿易統計、31日の4月鉱工業生産速報値、4月毎月勤労統計、4月住宅着工戸数、4月大手建設受注、6月1日の1~3月法人企業統計などがあるだろう。
海外では、5月29日の独5月消費者物価指数速報値、米3月S&Pケース・シラー住宅価格指数、米5月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、ブラジル中銀通貨政策委員会(30日まで)、30日の豪4月小売売上高、ユーロ圏4月M3、ユーロ圏5月景況感・業況感指数、ドラギECB総裁が欧州議会に欧州システミックリスク理事会に年次報告書提出、米4月住宅販売保留指数、米週間チェーンストア売上高、米週間レッドブック大規模小売店売上高、米住宅ローン・借り換え申請指数、フィッシャー米ダラス地区連銀総裁の講演、ローゼングレン米ボストン地区連銀総裁の講演、ブラジル中銀通貨政策委員会(金利発表)、31日の仏4月消費支出、独5月失業率、ユーロ圏5月消費者物価指数速報値、アイルランド新財政協定参加是非問う国民投票、米5月ADP雇用報告、米5月企業人員削減数(チャレンジャー)、米新規失業保険申請件数、米5月シカゴ地区購買部協会景気指数、米5月チェーンストア売上高、米第1四半期GDP改定値、米第1四半期企業利益、ピアナルト米クリーブランド地区連銀総裁の講演、6月1日の中国5月PMI(中国国家統計局)、ユーロ圏4月失業率、ユーロ圏5月製造業PMI改定値、米4月個人所得・消費支出、米4月建設支出、米5月雇用統計、米5月ISM製造業景気指数、米5月自動車販売台数などがあるだろう。なお5月28日は米国が休場となる。
その後の注目イベントとしては、6月4日の日本マネタリーベース、米4月製造業新規受注、5日の豪中銀理事会、米5月ISM非製造業景気指数、6日のユーロ圏第1四半期GDP改定値、ECB理事会(金利発表)と記者会見、米地区連銀経済報告、7日の英中銀金融政策委員会(金利発表)、8日の日本4月経常収支、独4月貿易収支、仏4月貿易収支、米4月貿易収支、9日の中国5月CPI・5月PPI・5月鉱工業生産・5月小売売上高・5月固定資産投資、10日の中国5月貿易統計、14日のスイス中銀金融政策発表、米第1四半期経常収支、14日~15日の日銀金融政策決定会合、17日のギリシャ再選挙などが予定されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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