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【外国為替市場展望:ユーロ・円相場】ギリシャ問題への警戒感で大勢はユーロ売り継続
【外国為替市場フューチャー:5月28日~6月1日のユーロ・円相場見通し】
■1ユーロ=98円台~102円台を想定
来週(5月28日~6月1日)のユーロ・円相場については、概ね1ユーロ=98円台~102円台のレンジを想定する。
ギリシャのユーロ圏離脱に対する警戒感が強い状況に変化はなく、大勢としてはリスク回避のユーロ売り・円買い優勢の流れが継続する可能性が高いだろう。
そして基本的には6月17日のギリシャ再選挙まで、ギリシャのユーロ圏離脱の可能性とその影響、さらにはスペインなどへの波及懸念を巡り、ユーロ圏の要人発言やギリシャの世論調査などに神経質な展開だろう。
ただし来週は、週末6月1日に重要イベントである米5月雇用統計を控えているうえに、ドル・円相場で一段のドル安・円高が進行すれば日本政府・日銀による円売り市場介入も意識されるため、ユーロ・円相場も様子見ムードを強めて小動きとなる可能性もあるだろう。
前週(5月21日~25日)のユーロ・円相場については、概ね1ユーロ=99円30銭台~102円10銭台のレンジで推移した。週末18日の海外市場で終盤は1ユーロ=99円60銭~70銭近辺だった。
週前半には日銀金融政策決定会合に対する思惑や、格付け会社フィッチ・レーティングスが日本国債の格付けを引き下げたことなどで、ユーロ買い戻しが優勢になる場面があった。しかし、ギリシャのユーロ圏離脱の可能性やスペインの銀行問題などが警戒され、大勢としてはリスク回避のユーロ売りの流れが継続した。
ユーロ・円相場に関しては、ギリシャのユーロ圏離脱に対する警戒感が強まり、ユーロ売りの流れが継続している。23日のEU非公式首脳会議では、ギリシャが財政再建策を履行してユーロ圏にとどまることを求めることで一致した。しかし、ユーロ共同債に関しては独仏の溝が埋まらなかった。これに対して、ギリシャのユーロ圏離脱懸念を払しょくするだけの具体策を欠いたとの受け止め方が大勢で、ユーロ売りが優勢となった。
またスペインへの波及も警戒されている。週末25日の海外市場では、スペイン・カタルーニャ州の知事が、今年の債務借り換えに向けた選択肢が尽きつつあると述べ、中央政府の支援が必要であることが伝わると市場は警戒感を強めた。格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)がスペインの銀行大手5行の格付けを引き下げたことや、スペインの大手銀行バンキアが政府に対して190億ユーロの資金注入を要請したことも警戒感につながった。
スペインやイタリアの国債利回り動向に神経質な状況にも変化はない。銀行からの預金流出の動きなどにも警戒感を強めている。ユーロ圏の景気減速に対する警戒感も強い。当面は要人発言やギリシャ世論調査などにも敏感に反応する展開だろう。一段と警戒感を強める可能性もあるだけに、ECB(欧州中央銀行)の金融政策なども注目されるだろう。
来週の注目スケジュールとしては、5月29日の独5月消費者物価指数速報値、米3月S&Pケース・シラー住宅価格指数、米5月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、29日~30日のブラジル中銀通貨政策委員会、30日の日本5月上旬貿易統計、豪4月小売売上高、ユーロ圏4月M3、ユーロ圏5月景況感・業況感指数、ドラギECB総裁が欧州議会に欧州システミックリスク理事会に年次報告書提出、31日の仏4月消費支出、独5月失業率、ユーロ圏5月消費者物価指数速報値、アイルランド新財政協定参加是非問う国民投票、米5月ADP雇用報告、米新規失業保険申請件数、米5月シカゴ地区購買部協会景気指数、米第1四半期GDP改定値、米第1四半期企業利益、6月1日の中国5月PMI(中国国家統計局)、ユーロ圏4月失業率、ユーロ圏5月製造業PMI改定値、米4月個人所得・消費支出、米5月雇用統計、米5月ISM製造業景気指数などがあるだろう。
その後の注目イベントとしては、6月4日の日本マネタリーベース、米4月製造業新規受注、5日の豪中銀理事会、米5月ISM非製造業景気指数、6日のユーロ圏第1四半期GDP改定値、ECB理事会(金利発表)と記者会見、米地区連銀経済報告、7日の英中銀金融政策委員会(金利発表)、8日の日本4月経常収支、独4月貿易収支、仏4月貿易収支、米4月貿易収支、9日の中国5月CPI・5月PPI・5月鉱工業生産・5月小売売上高・5月固定資産投資、10日の中国5月貿易統計、14日のスイス中銀金融政策発表、米第1四半期経常収支、14日~15日の日銀金融政策決定会合、17日のギリシャ再選挙などが予定されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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