三菱重工、インドの小型ディーゼルエンジン製造・販売会社MVDEに増資

2012年4月25日 09:30

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MVDE 工場内(画像:三菱重工業)

MVDE 工場内(画像:三菱重工業)[写真拡大]

 三菱重工業は24日、インドの耕運機・トラクターメーカーVTTL社(V.S.T. Tillers Tractors Ltd.)と合弁で運営する小型ディーゼルエンジン製造・販売会社MHI-VST Diesel Engines Pvt. Ltd.(MVDE)に対する増資を実施したと発表した。同国市場で三菱重工ブランドへの認知度が高まってきたことを受け、大口商談にも対応できる強い財務体質を確保するとともに、製品のラインアップを拡充するのが狙い。これにより、急拡大している小型エンジンに対する需要を取り込んでいく方針。

 MVDEは2007年の設立で、インド南部カルナータカ州の古都マイソール(Mysore)に本社・工場を置く。設立当初からの資本金は4億1,500万インドルピー(約6億6,400万円:1インドルピー=1.6円で換算)で、出資比率は三菱重工90%、VTTL社10%となっていた。今回の増資分は8億8,000万インドルピーで全額三菱重工が出資。この結果、資本金は3倍強の12億9,500万インドルピー(約20億7,200万円)となり、三菱重工の出資比率は約96.8%に達することとなった。

 MVDEは現在、三菱重工からの技術供与で排気量2リットル未満のディーゼルエンジンを生産、「MITSUBISHI」ブランドでインドおよび周辺地域へ販売している。インドでは農業機械および建設機械に対する需要が旺盛で、日系をはじめ外資系建機メーカーが相次いで進出している。同社も農機および建機搭載用エンジンの大口受注を獲得しており、年間生産量を現在の1万台から3万7,000台まで引き上げる。加えて現地調達率を拡大し、コスト競争力強化をはかる。

 合弁相手のVTTL社は1967年の設立で、カルナータカ州都のベンガルール(Bengaluru)に本社・工場を置く。年間生産能力は、耕運機約2万5,000台、トラクター約5,000台、エンジン約3万2,000台。

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