「100円ショップ株」2社が連日の高値、景気センチメントはなおデフレ示唆=浅妻昭治

2012年4月17日 11:46

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

「100円ショップ株」のキャンドゥ<2698>(東1)、ワッツ<2735>(JQS)、セリア<2782>(JQS)が、揃って強調展開を続けている。

「100円ショップ株」のキャンドゥ<2698>(東1)、ワッツ<2735>(JQS)、セリア<2782>(JQS)が、揃って強調展開を続けている。[写真拡大]

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

  「100円ショップ株」のキャンドゥ <2698> (東1)、ワッツ <2735> (JQS)、セリア <2782> (JQS)が、揃って強調展開を続けている。この日寄り付きは、さすがにキャンドゥが、利益確定売りで8営業日ぶりに一服して始まっているが、ワッツ、セリアは騰勢を加速、力強く年初来高値を更新している。

  小売り業界では、高額商品の販売復活でデパート株の人気が高まり株価上昇をリードしているが、この「100円ショップ株」の強調展開は、どっこい雇用調整、所得目減りと厳しさが続く個人消費環境下で、生活防衛意識はなお根強く、景気センチメントはデフレ懸念を示唆しているようである。

  政治生命をかけると決意表明した野田佳彦首相の消費税引き上げ政策で、なお消費者のサイフの紐は固くなり、「100円ショップ」の低価格商品へのニーズは収まりそうもない。「100円ショップ株」の高値更新は、今年2~4月に発表した各社の好決算が、第2段ロケットとなっている。

  このなかで4月13日に発表したキャンドゥの今11月期第1四半期決算は、大幅続伸して期初予想の第2四半期累計業績に対して高利益進捗、通期純利益は、10億5400万円(前期比53%増)と期初予想を据え置いたが、前期と同様に期中の上ぶれ修正の期待も高めた。

  同社は、同時に自己株式取得(発行済み株式総数の3.04%)・立会外買付取引(買付価格10万1300円)も発表しており、PER16倍台の割安修正に拍車をかけている。野田首相の消費税引き上げの「北風」政策が、「100円ショップ株」に逆政策効果をもたらす展開も想定されることになる。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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