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短期と中期売買が混合の展開=犬丸正寛の相場展望
来週(12~16日)は、『短期商いと中期買いの混合する展開』だろう。週末9日に日経平均は1万0007円と昨年8月1日以来の1万円台を回復した。[写真拡大]
★短期は相場のスピード速く警戒、中期は日本の景気・企業業績に安心感
来週(12~16日)は、『短期商いと中期買いの混合する展開』だろう。週末9日に日経平均は1万0007円と昨年8月1日以来の1万円台を回復した。
ユーロ不安の後退、アメリカ景気回復、円安傾向、日銀の脱デフレ政策、復興本格化による国内景気・企業業績の回復期待などが日経平均1万円台回復の背景としてある。
これによって、今後、2つの動きが予想される。(1)短期筋は1万円台乗せによる目先達成感から利益確定売りを先行するものとみられる、(2)これまで投資に慎重で様子見だった中期投資筋の買いが予想される。
とくに、東日本大震災から1年というタイミングでの1万円台回復は、復興への期待を膨らませる。しかも、これまで収益の圧迫要因だった円高が後退し、逆に円安傾向となったことから輸出関連企業にも明るさがみられる。即ち、日本にとっては、円安効果による「輸出」と、復興効果による「内需」の両方に明るさが加わることは注目すべき点である。世界を見渡し、「輸出」と「内需」のダ「ブル効果」の見込める国は日本くらいだろう。この点が、最近の外国人投資家の日本株買いの背景だろう。同時に国内の現物投資の個人投資家にも安心感が生まれているものとみられる。
また、こうした日本の景気、企業業績の明るさを背景とした日経平均1万円台乗せには、野田内閣に対する期待も含まれているものといえるだろう。消費税引き上げに対しマーケットは受け入れに傾いているとみることができる。消費税を引上げても景気の大きい落ち込みは避けられるということだろう。
ただ、短期的には日経平均の上昇スピードは速い。移動平均線・乖離では日足、週足とも警戒水準にある。しかも、原油価格の上昇、LNG価格上昇、電力不足、1月の経常収支赤字、緊張高まるイラン情勢など、きっかけがあれば調整も予想される。とくに、短期筋は日経平均の1万円台乗せで利益確定売りを先行させるものとみられる。
1万円以下水準には個人、外国人投資家などの押し目買いが予想される。一方、1万円を超えれば利益確定売りが出やすくなるものとみられる。しばらくは1万円を挟んだモミ合いだろう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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