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【株式市場を検証】トヨタの決算発表控え様子見ムード強めたが先高期待で底堅い展開
【日経平均株価は小幅反落、TOPIXは続伸して昨年9月1日以来の水準】
■東証1部市場の売買代金は6営業日連続で1兆円を上回る
7日は、日経平均株価が前日比11円68銭(0.13%)安の8917円52銭となり小幅に反落した。一方で、TOPIXは前日比2.92ポイント(0.38%)高の772.77と続伸し、終値ベースでは昨年10月28日(771.43)を上回り、9月1日(778.28)以来の水準に回復した。
前日の米国株式市場が下落したことを受けて売り優勢でスタートし、取引終了後にトヨタ自動車 <7203> の決算発表を控えていたため様子見ムードも強めたが、先高期待などで底堅い展開だった。日経平均株価の日中値幅は41円25銭だった。東証1部市場の売買代金は概算で1兆1150億円となり、前日の1兆2134億円に比べて減少したが、6営業日連続で1兆円を上回った。
前日6日の米国株式市場でダウ工業株30種平均株価は前日比17ドル10セント(0.13%)安の1万2845ドル13セントとなり小幅反落した。主要な経済指標の発表がなく、前週末3日に大幅上昇した反動で利益確定売りが優勢だった。ギリシャ債務交換交渉や第2次支援協議に対する不透明感も弱材料視された。
ただし売りも限定的で、この日の安値は前日比68ドル80銭安にとどまり、結局は小幅な下落で取引を終了した。S&P500株価指数は前日比0.04%安と4営業日ぶりに小幅反落、ナスダック総合株価指数は前日比0.13%安と5営業日ぶりに小幅反落した。
こうした流れを受けて日経平均株価は前日比25円04銭安と売り優勢でスタートした。外資系証券9社経由の寄り付き前の注文状況は差し引き180万株の売り越し観測だった。寄り付き後は利益確定売りを急ぐ動きも見られず、日経平均株価は8900円台前半と前日比小幅安の水準で推移した。
一方のTOPIXは前日比1.21ポイント安でスタートしたが、すぐに前日比プラス圏に切り返し、その後も前日比小幅高水準で推移した。中国・上海株式市場が軟調だったことも買い手控えにつながったが、全体としてはしっかりした展開だった。
午後に入ると、日経平均株価はやや下落幅を広げて、8900円台を割り込んだ水準でモミ合う展開となった。しかし下値は限定的で、取引終了にかけて下落幅を縮小した。外国為替市場で円がやや落ち着いた動きだったことも支援材料だった。結局、日経平均株価は小幅に反落したが、終値で8900円台を維持した。一方のTOPIXは続伸して、この日の高値圏で取引を終了した。
東証1部市場の騰落銘柄数は値上がり銘柄770(全体の46%)、値下がり銘柄736(全体の44%)だった。セクター別には、食品、セメント、メガバンク、証券、不動産、海運などが上昇した。一方で、非鉄金属、機械、自動車などがやや軟調だった。
東証1部市場の売買代金上位の個別銘柄で見ると、2位の日本たばこ産業(JT) <2914> 、8位の商船三井 <9104> 、14位の日東電工 <6988> の上昇が目立った。
また1位のグリー <3632> 、3位の三菱UFJFG <8306> 、6位の三井住友FG <8316> 、7位のディー・エヌ・エー <2432> 、9位のソニー <6758> も上昇した。4位のトヨタ自動車(7203)は前日比変わらずとなった。
一方で、5位のキヤノン <7751> 、10位のコマツ <6301> 、11位のホンダ <7267> は下落した。
前日の米国株式市場の下落、ギリシャ債務交換交渉や第2次支援協議に関する不透明感、為替の円高進行に対する警戒感、短期的な過熱感に加えて、取引終了後にトヨタ自動車の決算発表を控えていたことも様子見ムードにつながったが、日経平均株価の下値は限定的で、終値では8900円台を維持するなど底堅い展開だったと言えるだろう。
なお、取引終了後のトヨタ自動車の決算発表では、12年3月期連結業績見通しを上方修正した。前回予想に比べて販売台数を上方修正し、減収減益幅が縮小する見込みとなった。ポジティブ・サプライズとして好感することが期待され、ギリシャ問題や外国為替市場で波乱がなければ、明日以降の市場全体の地合い改善につながる可能性もあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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