日産、メキシコに新工場を建設 約1550億円を投資し生産能力を拡大

2012年1月26日 12:23

印刷

 日産自動車は25日、米州地域での成長戦略を支えるため、最大20億ドル(約1550億円)を投資して、メキシコのアグアスカリエンテスに、同国3番目となる新たな生産工場を建設すると発表した。

 メキシコにある日産の既存の2工場を補完するこの新たな生産工場は、2013年後半に稼働を開始する予定。同工場は、立ち上がり当初は、日産の米州におけるBプラットフォーム生産の一部を担うことになり、小型車生産17万5,000台の能力拡張を目指す。商品投入や生産能力の必要性に応じて、今後生産施設の更なる拡大が検討される。

 アグアスカリエンテスの新工場の稼働により、多くの重要なリソースが日産の既存および将来的な業務において共有されることになる。工場内にはサプライヤーパークも建設される予定。

 新工場では、最大で3,000人の直接雇用が生まれ、これによりメキシコにおける日産の従業員数は約1万3,500人になる予定。サプライチェーンおよび周辺の地域では約9,000人の雇用が生み出される。

 日産のカルロス・ゴーンCEOは、「メキシコは、日産の米州地域における成長を推し進める重要な市場。アグアスカリエンテスの新工場は、ブラジルの新工場と共に、日産が米州地域における確固たる販売と市場占有率を築くため必要な生産能力を確保することになり、日産の戦略における重要な柱となる」と述べている。

 日産は20億ドルを、同社のメキシコにおける3番目の生産施設となるアグアスカリエンテス新工場の開発や、将来的な施設拡張のための基礎作りに投資する。新工場建設には、日産の既存の生産工場があり、熟練した労働力やサプライヤーへもアクセスの良いアグアスカリエンテス州が選ばれた。

 日産は、アグアスカリエンテスに新たな生産工場を建設することで、中期的にメキシコで100万台超を生産する準備が整う。現在日産は、メキシコで2つの生産工場を稼働している。ひとつは、メキシコシティから85km南にあるクエルナバカ工場で、小型車、小型商用車およびピックアップ車両を生産している。もうひとつは国内、米国および中南米市場向けの小型車の生産を行うアグアスカリエンテス工場。日産は2011年、これら2工場で過去最高となる60万台以上を生産した。

 アグアスカリエンテスの新工場の開発の第1段階においては、車体、組立、塗装工程に加えて、関連部品の倉庫や物流に関する設備を整備する。また、敷地内にはテストコースも建設予定であり、新型生産モデルのオフライン品質保証試験が可能となる。

関連記事