近鉄・丸紅・近畿大学、完全人工光型植物工場と農業用ハウスを利用した農業ビジネスを展開

2011年11月14日 17:14

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 近畿日本鉄道、丸紅、近畿大学は14日、三者による産学連携スキームを構築し、完全人工光型植物工場および農業用ハウス(太陽光利用型植物工場)を利用した農業ビジネスを展開すると発表した。
 
 今回の三者連携では、近鉄が丸紅・近大の協力の下、奈良県吉野郡大淀町の自社所有地に、完全人工光型植物工場と農業用ハウスを建設し、そこで生産した高品質で安全・安心な農産物を、近商ストアをはじめとする近鉄グループの流通店舗やホテル、レストラン等を通じて、顧客に提供する。

 完全人工光型植物工場では、丸紅が開発した土耕式植物工場システムを採用し、近鉄がレタスなどの葉物類やサラダカブなどのミニ根菜類等の生産を行う。また、今後、近大が丸紅の協力を得て、新しい品種や栄養価の高い野菜等を開発し、丸紅と近大が完全人工光型植物工場で試験的生産等を行い、近鉄が試験販売し、商業化の目処が立った段階で生産・販売していく。農業用ハウス(太陽光利用型植物工場)では、近鉄が丸紅と近大からの助言を得て、高糖度トマトを周年生産する。

 流通やホテル、レストランなど多彩な事業をグループ展開する近鉄、様々な分野にグローバルなネットワークをもつ丸紅、そして「近大マグロ」や「近大マンゴー」などの独自技術の商業利用に実績のある近大が、それぞれの特徴を活かしつつ相互に連携しながら、農業ビジネスを展開していく。

 また、近鉄では、農業ビジネスに参入することにより、所有地を有効活用するとともに、沿線地域の人々に高品質で安全・安心な農作物を提供することを通して、沿線価値の向上を図っていく考え。なお、2012年3月に施設建設工事着手、2012年8月に生産開始、2012年秋頃に初収穫・出荷開始を予定している。


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