波乱含みIPO投資が有力な投資選択肢に浮上!=浅妻昭治

2011年9月20日 13:44

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

IPO(新規株式公開)が、またまた波乱含みである。前週末9月16日新規上場のイーピーミント<6052>(JQS)は、初値を公開価格の1500円を上回る1700円でつけ、1979円高値まで買い進まれたものの、後場は一転して売り優勢となって1641円まで売られて引値は1660円となり、IPO人気の方向感を不透明化した。

IPO(新規株式公開)が、またまた波乱含みである。前週末9月16日新規上場のイーピーミント<6052>(JQS)は、初値を公開価格の1500円を上回る1700円でつけ、1979円高値まで買い進まれたものの、後場は一転して売り優勢となって1641円まで売られて引値は1660円となり、IPO人気の方向感を不透明化した。[写真拡大]

【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】

■今年のIPOは9勝7敗1分けの勝率52%

  IPO(新規株式公開)が、またまた波乱含みである。前週末9月16日新規上場のイーピーミント <6052> は、初値を公開価格の1500円を上回る1700円でつけ、1979円高値まで買い進まれたものの、後場は一転して売り優勢となって1641円まで売られて引値は1660円となり、IPO人気の方向感を不透明化した。

  これで今年のIPOは、17社を数えることになったが、初値が公開価格を上回るか下回るかで判定する勝敗は、9勝7敗1分けの勝率52%にとどまった。昨年は21社がIPOされ、その勝敗は10勝9敗3分けとなり、その勝率45%を超えたものの、平均初値倍率は24%から13%へ低下してしまった。

  IPOは、どの経済学の教科書でも強調される通りに株式市場にとってはあだやおろそかにできない重要イベントである。ベンチャービジネスへリスクマネーを供給して新規産業の誕生を促し経済を活性化する機能が明示されている。続いて流通市場にとっては、新規投資家、ニューマネー流入の呼び水となって投資家層を拡大・多様性させ、市場の厚みを増す効果が期待されているとされている。

  その機能にカゲリが生じているのが、昨今のIPO市場である。要因がどこにあるかの議論は、今回は置いておくとして、このままでは、目下の焦眉の急となっている日本郵政や東京メトロの株式売り出しにも重大な齟齬をきたすことになる。東日本大震災の復興財源の第3次補正予算の原資として、また復興増税の規模を縮小するためにも、両株式の売り出しをスムーズに消化する役割が求められているはずである。

  復興財源や原発事故の賠償資金の調達に関しては、目下、JT <2914> やKDDI <9433> が、孤軍奮闘中である。JTは財務大臣、KDDIは東京電力 <9501> のそれぞれの大株主の売り出しが、復興財源や損害賠償金の原資捻出の切り札と期待され、急騰・急落を繰り返すジェットコースター相場の圏外で逆行高、高値更新と好パフォーマンスを演じている。IPOにも、クルマの両輪として同様の対抗株として露払い役が、期待されてしかるべきということになるはずだ。

  幸いなことに9月22日、27日にはIPOとしては前評判の高いブレインパッド <3655> とKlab <3656> の新規上場が控えている。この2銘柄の新規上場をキッカケにIPO市場が再活性化することになれば、被災地の被災者の方々、財政当局、投資家すべてがハッピーになる「ウィン-ウィン」の投資相関図が成立することになるはずで、IPO投資が有力な投資選択肢に浮上することになる。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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