武田薬品の糖尿病治療薬、欧州医薬品庁が「添付文書の変更を推奨する」と発表

2011年7月22日 19:45

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 武田薬品工業は22日、欧州医薬品庁(EMA)が、欧州時間7月21日、同社の糖尿病治療薬「アクトス」、「メタクト」、「ソニアス」に含まれる成分「ピオグリタゾン塩酸塩」について、「添付文書の変更を推奨する」との見解を公表したことを発表した。

 同社によると、欧州では、2011年3月から、EMAの委員会である欧州医薬品評価委員会(CHMP)が、ピオグリタゾン投与による膀胱がんの発症リスク増加の有無に関連する全ての非臨床・臨床・疫学データおよび自発報告を検討し、ピオグリタゾンのベネフィットとリスクのバランスについて総合的に評価を行ってきた。

 今回の見解は7月18日から21日まで開催されたCHMP月次会議において、「ピオグリタゾン製剤は2型糖尿病患者にとって有効な治療選択肢であり、膀胱がん発症リスクにわずかな増加が見られるものの、添付文書に新たな投与禁忌や使用上の注意を追記し適切な投与患者を明確にすること、および定期的な安全性と有効性の確認を行うことによって、そのリスクを軽減できる」と判断されたことに基づく。

 なお、今回のEMAの見解は、欧州委員会(European Commission)が承認することにより最終決定となるという。

 同社は、「日本においては、すでに6月24日付で、ピオグリタゾンを含有する製品(アクトス、ソニアス、メタクト)の添付文書中に膀胱がんに関する『使用上の注意』を追記することにより適正使用推進に努めている」とコメントしている。

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