【相場展望】買い材料が見当たらず、しかし一方では、売り材料も織り込み済み

2011年6月6日 09:31

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【株式市場フューチャー:6月6日~10日】

  来週(6月6日~10日)の日本の株式市場については、重要イベントの米5月雇用統計を通過し、手掛かり材料難の状況が続きそうだ。

  米国や中国の景気の先行きに不透明感が強まっているだけに、世界的なリスク回避の動きに対する警戒が必要となる。また、前週末6月3日の米国株式市場は、米5月雇用統計を受けて下落したため、週初6日の日本株式市場も弱含みのスタートが想定される。

  日経平均株価で9500円近辺はPBR1倍近辺として底堅さが指摘されているが、需給面では外国人投資家が30週ぶりに日本株売り越しとなったことで、下値に対する警戒感も強まっている。

  内閣不信任決議案の否決と、その後の政府・民主党内の混乱の影響は限定的と見られるが、政権交代という変化への期待が萎んだという点では、やはりマイナス要因だろう。

  全体として買い材料が見当たらず、強気ムードが期待できない状況だが、一方では、売り材料もほぼ織り込み済みと考えられる。チャート面で見れば、当面は日経平均株価の9400円台の攻防が焦点となるが、4月19日の取引時間中の安値(9405円19銭)を割り込まなければ、底堅さが意識されるだろう。そして、ボックスレンジ下限からレンジ上限に向けて、反発過程の局面と捉えることも可能だろう。

  企業業績に関しては、11年4~6月期、7~9月期、10~12月期と、四半期ベースでの回復ペースの見通しが焦点となる。

  来週の注目スケジュールとしては、国内では、7日の4月景気動向指数CI速報値、5月末外貨準備等状況、8日の4月経常収支、5月マネーストック統計、5月景気ウォッチャー調査、9日の11年1~3月期GDP2次速報値、5月消費動向調査、10日の4月第3次産業活動指数、5月企業物価指数などがあるだろう。

  海外では、6日のユーロ圏4月生産者物価指数、トリシェECB(欧州中央銀行)総裁の講演、プロッサー米フィラデルフィア地区連銀総裁の講演、フィッシャー米ダラス地区連銀総裁の講演、7日の豪中銀理事会(金利発表)、ユーロ圏4月小売売上高、米4月消費者信用残高、米週間チェーンストア売上高、米3年債入札、ロックハート米アトランタ地区連銀総裁の講演、バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長の講演、8日のニュージーランド中銀金利発表、ブラジル中銀金利発表、OPEC総会、米住宅ローン借り換え申請指数、米10年債入札、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、9日の英中銀金融政策委員会(金利発表)、ECB理事会(金利発表)と記者会見、米4月貿易収支、米4月卸売在庫、米新規失業保険申請件数、米30年債入札、米FRB資金循環統計、プロッサー米フィラデルフィア地区連銀総裁の講演、イエレン米FRB副議長の講演、10日の中国5月貿易統計、トリシェECB総裁の講演、米5月財政収支、米5月輸出入物価などがあるだろう。なお6日は中国、香港、台湾、韓国が休場となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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