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「水」関連銘柄特集(4)=放射性物質に対する吸着材や水処理膜など浄化技術が注目
日本の企業は、水処理関連の装置メーカー、部品メーカー、素材メーカー、プラント・エンジニアリング企業、総合商社などが、それぞれ得意とする分野で、概ね個別に事業展開している。[写真拡大]
【2025年の世界の取水量は2000年に比べて約3割増加】
■放射性物質などに対する吸着材や水処理膜などの浄化技術が注目
日本の企業は、水処理関連の装置メーカー、部品メーカー、素材メーカー、プラント・エンジニアリング企業、総合商社などが、それぞれ得意とする分野で、概ね個別に事業展開している。そして超純水製造装置、水処理膜、水中ポンプ、漏水防止関連技術、下水再利用技術、下水汚泥再資源化技術など、個別分野では競争力の高い技術を有する企業が多く、世界的に高シェアを誇っている製品も多い。ただし、日本の水処理関連技術は世界トップクラスを誇るとされているが、日本の場合は事業運営を自治体がほぼ独占しているため、民間企業には水道事業の運営・管理に関する経験やノウハウが乏しく、欧州系の水メジャーとの比較で見れば、総合的に水ビジネスを展開している企業は少ない。
日本でも2002年の改正水道法施行により、浄水場管理などの民間委託が可能になった。現在の民間委託率は1%程度にとどまっており、依然として上水道インフラ・施設の大部分は自治体が担っているが、厚生労働省が自治体と水処理関連企業を仲介する会議を開催するなど、浄水場管理・運営などの民間委託の拡大へ向けて、徐々に動き出している。
国内の上水道インフラ・施設の多くは、その整備から30年以上を経過して腐食、破損、悪臭などの問題が目立ち始めている。これらの老朽化した上水道インフラ・施設が相次いで更新時期を迎えることは、巨大な水処理関連需要が発生するだけでなく、自治体の財政悪化なども考慮すれば、浄水場管理などの民間委託を後押しする要因になるとの見方がある。
さらに、2011年3月に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故では、大量の高濃度汚染水が警戒されたうえに、東京都の浄水場などで基準値を超える放射性物質が検出されたこともあり、国民の間では水の重要性に対する認識が高まった。福島第一原子力発電所の高濃度汚染水については、仏アレバ社の浄化技術を活用する模様だが、今後も放射性物質などに対する吸着材や水処理膜などの浄化技術が注目されるだろう。また、家庭用浄水器やミネラルウォーター関連の需要も拡大するだろう。
船舶の分野でも、船舶の安定性を保つバラスト水の浄化規制に対応し、国際海事機構(IMO)が2017年をメドとして、バラスト水の浄化装置の搭載を義務付ける方針であり、微生物殺菌装置などを含めて約2兆円の市場が発生すると見込まれている。
【参考:水処理関連銘柄一覧】 日立プラントサービス <1751> (JQS)=水処理機 富士電機E&C <1775> (東2)=水処理機 日本工営 <1954> (東1)=水処理装置 日揮 <1963> (東1)=プラント アタカ大機 <1978> (東1)=水処理機 日本上下水道設計 <2325> (東2)=水処理装置 双日 <2768> (東1)=プラント クリエイト <3024> (JQS)=水処理機 東洋紡 <3101> (東1)=水処理膜 クラボウ <3106> (東1)=水処理機 トーエル <3361> (JQS)=飲料水 帝人 <3401> (東1)=水処理膜 東レ <3402> (東1)=水処理膜 クラレ <3405> (東1)=水処理膜 旭化成 <3407> (東1)=水処理膜 大王製紙 <3880> (東1)=水処理機 日本化成 <4007> (東1)=水処理機 戸田工業 <4100> (東1)=水処理機 三菱ケミカルホールディングス <4188> (東1)=水処理装置 ダイセル化学工業 <4202> (東1)=水処理膜 野村総合研究所 <4307> (東1)=水処理装置 ダイオーズ <4653> (東1)=飲料水 日本ガイシ <5333> (東1)=プラント、水処理機 新日本製鐵 <5401> (東1)=水処理装置 ジェイ エフ イー ホールディングス <5411> (東1)=水処理装置 住友金属鉱山 <5713> (東1)=水処理装置 古河機械金属 <5715> (東1)=水処理装置 野村マイクロ・サイエンス <6254> (JQS)=水処理装置 神鋼環境ソリューション <6299> (東1)=水処理装置 住友重機械工業 <6302> (東1)=水処理装置 ササクラ <6303> (大2)=海水淡水化 クボタ <6326> (東1)=水処理膜 東洋エンジニアリング <6330> (東1)=水処理装置 三菱化工機 <6331> (東1)=水処理装置 月島機械 <6332> (東1)=水処理装置 鶴見製作所 <6351> (東1)=水処理装置 荏原 <6361> (東1)=プラント 酉島製作所 <6363> (東1)=プラント 千代田化工建設 <6366> (東1)=プラント オルガノ <6368> (東1)=プラント 栗田工業 <6370> (東1)=プラント 水道機工 <6403> (JQS)=水処理装置 前澤工業 <6489> (東1)=水処理装置 日立製作所 <6501> (東1)=水処理装置 三菱電機 <6503> (東1)=水処理装置 富士電機ホールディングス <6504> (東1)=海水淡水化、水処理装置 安川電機 <6506> (東1)=水処理装置 OSGコーポレーション <6757> (JQS)=整水機器 日本トリム <6788> (東1)=整水機器 日東電工 <6988> (東1)=水処理膜 三井造船 <7003> (東1)=プラント 日立造船 <7004> (東1)=プラント 三菱重工業 <7011> (東1)=プラント IHI <7013> (東1)=プラント 伊藤忠商事 <8001> (東1)=海水淡水化、プラント運営 丸紅 <8002> (東1)=海水淡水化、プラント運営 豊田通商 <8015> (東1)=プラント 三井物産 <8031> (東1)=海水淡水化、プラント運営 住友商事 <8053> (東1)=海水淡水化、プラント運営 三菱商事 <8058> (東1)=海水淡水化、プラント運営 ダイセキ <9793> (東1)=プラント (情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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