【読者と一問一答】東京電力株をこのまま保有していても大丈夫でしょうか?

2011年4月10日 07:24

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  【問い】 東京電力 <9501> を売ることができず持っています。安値から、かなり戻してホッとしています。このまま保有していても大丈夫でしょうか?

  【答え】 動きを振り返ってみると、4月6日に300円を割って292円まで下げ上場来安値をつけ、8日には420円まで率としては43.8%戻しました。しかし、この43.8%という率の大きさに惑わされないことが大切です。

  ボールを高い所から落とせばバウンドするように大きく下げた反動で戻しているだけです。大震災発生前・3月10日の終値2153円から4月6日の安値292円まで86.4%も下げたのですから戻すのは当然ともいえる動きです。しかし、2153円の株価が292円まで大暴落した株が420円まで戻したくらいでは喜べないし、安心はできません。

  とくに、84.6%も大きく下げた理由を考えれば先行きに楽観はできません。放射能漏れの補償額、廃炉などの費用などを考えると大きな負担は間違いないでしょう。未確認ですが、外資系レポートでは補償額は10兆円を超えると見ているようです。四季報・春号の東京電力の有利子負債は7兆4642億円と膨大です。先行き、同社のバランスシート(貸借対照表)が、どのような形となるのか想像がつきません。既に、アナリストの中には同社の分析を中断しているところもあるようです。

  今、戻しているのは下げの反動高と、信用取引を使った活発な売買によるマネーゲームの動きともいえます。先行きは極めて厳しいようですから売却するのがよいと思もわれます。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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