トヨタ、EV、PHV向けの情報サービスでMSと提携

2011年4月7日 18:41

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7日にネット会見を行った豊田社長とバルマーCEO。(2011年4月7日、マイクロソフトが公開している動画からスクリーンショットを作成した)

7日にネット会見を行った豊田社長とバルマーCEO。(2011年4月7日、マイクロソフトが公開している動画からスクリーンショットを作成した)[写真拡大]

 トヨタ自動車と米マイクロソフト(MS)は7日、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)向けの情報サービス(テレマティクス)での提携に基本合意したと発表した。

 トヨタは2012年に販売予定のEV・PHV向けの情報サービスの基盤としてMSのクラウドプラットフォーム「Windows Azure」を採用。15年をめどに住宅や自動車のエネルギー消費を統合的にコントロールするシステム「トヨタスマートセンター」のグローバル展開を図る。

 今回の提携を受け、トヨタのIT子会社「トヨタメディアサービス」は10億円の増資を行い、MSとトヨタから出資を受ける。出資金額などは今後調整していくという。

 トヨタの豊田章男社長とMSのスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)は同日、インターネット上で共同会見を開催した。

 豊田社長は、MSとの提携の目的、期待する成果について「トヨタのテレマティクスサービスとAzureを融合させる。それによって低炭素、省エネルギー社会の早期実現に貢献するということが一番の狙い」「具体的な成果は、スマートセンターのグローバル展開、お客様に、車とITの融合によってもっと良いわくわくした車をタイムリーに提供できる」と述べた。

 また、MSをパートナーに選んだ理由については98年にポータルサイト「GAZOO」を開設した際にMSの協力を受けたというエピソードを披露した。

以下はMSとの関係に関する豊田社長の発言の抜粋。
 「MSとの関係は、98年にGAZOOを応援していただいたことから始まる。当時インターネットは日本でも認知が無く、新しいものを起こすベンチャーをやっていく時には大変だなという苦労の連続だった。そんなとき手を差し伸べてくれたのが、MSだった。」

 「直接お伺いしたことはないが、多分、支えてくれた理由というのは、GAZOOプロジェクトの姿に、MSがベンチャーとしてのDNAというものを共感してくれたのではないかと感じた。また、私流にいわせてもらえば、GAZOOはマイクロソフトというアメリカの会社の先見性と懐の深さに育てられたプロジェクトだという風に思っている。」

 「それ以降もずっとMSとは一緒に仕事をさせていただいた。昨今、特にエネルギー問題や地球環境問題がよりクローズアップされている。そんな中、次世代環境車による、未来の車社会を早期に実現しなければならないということもあり、今年の1月にバルマー会長のところに訪問をさせていただいた。そして、未来社会にもっと大きな花を咲かせるために挑戦をしたいので、今まで以上に力を貸してほしいと申し出たところ、一つ返事で一緒にやろうという風に言っていただいた。」

 「いつの時代も未来を切り開くのがベンチャー精神だと思っている。業界最大手という言われるIT企業のMSと自動車最大手のトヨタ、ともに共通しているといえるのは、もともとのベンチャーとしてのDNAだと思います。この二つが融合した時に今後どういう成果が出るのか。私にとってはどういうわくわくした車が出てくるのかということは、大変、期待していただきたい。」

 豊田社長とバルマーCEOの会見の模様はMSが公開しており、以下のリンクから閲覧できる。
http://www.microsoft.com/presspass/presskits/cloud/liveevent.aspx

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