各企業、被災による工場再開、停止などの復旧状況が明らかに

2011年3月18日 11:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 被災地に工場や営業所などがある企業各社の状況が日々、明らかになっている。

 古林紙工は、グループ企業を含めて社員の無事と生産設備に大きな被害がないことを確認した。戸塚工場(横浜市戸塚区)や子会社のライニングコンテナー(茨城県境町)で計画停電による稼働時間の減少や、物流面の困難などでパッケージ製造に影響が出る可能性があるため、関西地区にある藤井寺工場(大阪府藤井寺市)と滝野工場(兵庫県加東市)で増産し影響の低減に努める。

 自動車用ワイヤハーネス(組み電線)世界首位の矢崎総業は、子会社の矢崎部品栃木工場(栃木県那須烏山市)と東北部品(宮城県栗原市)が建屋、設備に被害を受け、11日の地震直後に操業を止めた。復旧の見通しは立っていない。このほか福島第1原発事故で稼働できない工場や、自動車各社の操業停止を受けて生産量をおさえている拠点もある。一部工場では海外メーカー向け部品も生産しており、安定供給のために他工場や海外拠点へ生産移管を検討している。

 横浜ゴムは高圧ホースなどを作る茨城工場(茨城県小美玉市)が被災して生産を停止した。現在、再開時期を検討している。原材料の調達や電力状況を踏まえ判断する。

 乗用車タイヤの三島工場(静岡県三島市)、工業用ベルトなどの平塚製造所(神奈川県平塚市)、油圧ホース金具などの平塚東工場(同)、シーリング材のハマタイト工場(同)、油圧ホース金具の長野工場(長野県高森町)は、生産量を抑えて稼働する。その他は通常稼働。

 日本乳化剤は人的被害は出ていないが、鹿島工場(茨城県神栖市)での生産を停止している。反応器や蒸留塔に影響はなかったが、設備の配管に変形があるという。工場の操業に必要な電力や蒸気、窒素なども確保できていない。また津波による冠水被害もあり、設備の点検を急いでいる。同工場敷地では液状化現象も起こっている。

 一方、同社の川崎工場(川崎市川崎区)では11日に設備が自動停止したが、安全を確認できたとして14日から生産再開した。16日時点で計画停電の影響はない。ただエチレンなど原料を生産するJX日鉱日石エネルギー川崎製造所(同)のエチレン製造設備が停止しているため、「原料調達に不安がある」(総務)という。

 富士フイルムは15日夜の静岡県の地震で富士宮工場(静岡県富士宮市)が被災したが、16日中に一部再開した。建物などの損傷はあったが、製造設備に大きな被害はなかった。17日から本格的に操業を再開する。同工場では写真用印画紙素材を製造する。

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