「好業績の出遅れ銘柄」で泳ぐ相場がしばらく続く=犬丸正寛の相場展望

2010年11月19日 18:07

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

来週(22~26日)以降の相場は、『出遅れ修正の動き』が、もうしばらく続くだろう。しかし、波乱の芽を含んでいることは見落としてはいけない。『出遅れ株は深追いするな』の教えもある。

来週(22~26日)以降の相場は、『出遅れ修正の動き』が、もうしばらく続くだろう。しかし、波乱の芽を含んでいることは見落としてはいけない。『出遅れ株は深追いするな』の教えもある。[写真拡大]

■波乱の芽を含む!『出遅れ株は深追いするな』の教えも・・

  来週(22~26日)以降の相場は、『出遅れ修正の動き』が、もうしばらく続くだろう。しかし、波乱の芽を含んでいることは見落としてはいけない。『出遅れ株は深追いするな』の教えもある。いつ、ガラガラポンが来てもよいように、売買は小口に、しかも、利の乗っているものは、早めの手仕舞いを心がけたい。

  日経平均は、18日(木)に、今年6月24日以来、ほぼ5ヶ月ぶりに1万円台に乗せた。その大きい理由を1つだけ挙げるとすれば、「日米首脳が握手した」ことに尽きる。これで、昨年9月の民主党政権誕生以来、ギクシャクしていた日米関係に修復の第一歩が踏み出された。

  NN倍率(日経平均÷NYダウ)が、1倍を大きく割り込んで、日本株の出遅れが目立っていた。NN倍率1倍まで戻すとみれば、NYダウ1万1181ドル(11月18日)に対し、日経平均1万1181円があってもよい計算ではある。しかし、そこまで日米関係は修復されてはいないだろう。そう甘くはないだろう。普天間だって解決の目途さえ立っていない。

  気になるのはNYダウの動きが、このところ荒くなっていることだ。200ドル近い上げ下げが頻繁にみられる。こういう時は高値波乱から急反落の芽を含んでいることが多い。先の中間選挙でオバマ民主党は大敗した。議会運営は難しくなる。中国の台頭、発言力の強まりから、「強いアメリカ」への回帰願望も見え隠れする。平和友好どころか、軍事面の強化が強まる可能性もある。景気対応が遅れる心配がある。

  一方の日本も政局不安の芽を抱えている。「民主党政権になって喜んでいるのは、中国、ロシアと国内では子供手当ての幼児くらい」と、揶揄されるほど。失業、デフレ、財政状態はさらに悪化し外交関係は最低状態。しかも、大臣の相次ぐ「変な発言」。内閣が浮き足立っている印象だ。サラリーマン同士の飲み会でも、そこまでは言わない。こういう人に税金を使って高給を渡していると思うと情けない。国民の支持率が下がるのは当たり前だろう。

  長期金利も上がり始めている。リードして来た新興国の景気を冷やす心配もある。ヨーロッパでは、また財政不安問題が頭をもたげている。あっちを見ても、こっちを見ても、よい材料はない。こういうときこそ夢を持たせてくれるトップが必要なのだが、残念ながら、果実、分配型の菅総理では難しそうだ。好業績の出遅れ銘柄で泳ぐ相場だろう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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