オリンピックの後には不況が来る=犬丸正寛の相場格言

2010年10月26日 10:30

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

「オリンピック」を、「大きいイベント」と、言い換えてもよいでしょう。お祭りを開催すれば、必ず後片付けが必要となります。誰だって、後片付けは億劫なものです。特に、お祭りの準備段階では、人の気持ちは前向きで弾みますが、終れば空虚さに見舞われます。それは、小さな「村祭り」であっても、大きい「国家ベースのお祭り」でも同じです。

「オリンピック」を、「大きいイベント」と、言い換えてもよいでしょう。お祭りを開催すれば、必ず後片付けが必要となります。誰だって、後片付けは億劫なものです。特に、お祭りの準備段階では、人の気持ちは前向きで弾みますが、終れば空虚さに見舞われます。それは、小さな「村祭り」であっても、大きい「国家ベースのお祭り」でも同じです。[写真拡大]

■オリンピックの後には不況が来る

  「オリンピック」を、「大きいイベント」と、言い換えてもよいでしょう。お祭りを開催すれば、必ず後片付けが必要となります。誰だって、後片付けは億劫なものです。特に、お祭りの準備段階では、人の気持ちは前向きで弾みますが、終れば空虚さに見舞われます。それは、小さな「村祭り」であっても、大きい「国家ベースのお祭り」でも同じです。

  特に、オリンピックのような国家レベルの一大イベントのお祭りでは、尚更です。各種施設、交通網、水道、ガス、電気、治安など開催準備と運営のためのエネルギーたるや、すごいものです。

  日本は敗戦から約20年後の1964年(昭和39年)に、「東京オリンピック」を開催しました。復興から発展を遂げ、お祭りが開けるまでになった日本を国民は大いに喜んだものです。当然、オリンピックに向けて、一気に社会資本の整備を図りました。しかし、お祭りの後の昭和40年は大不況です。旧山一、旧太井の大きい証券会社も破綻しました。

  お隣、韓国では1988年にソウルオリンピックを開催した。しかし、お祭りの後、1990年代に入ってIMFの管理下に置かれるほどの経済危機に見舞われています。そして、2004年にアテネオリンピックを開催したギリシャが、今、経済危機に直面しています。

  昨年、2008年には中国が北京オリンピックを開催。さらに、2010年には上海万博を開催。立て続けに大きいお祭りを開催しました。当然、お祭りの後の落ち込みは心配されるところです。

  ただ、日本、韓国と違って、中国は人口が日本の10倍規模と、大きいことがあります。このため、日本、韓国、ギリシャなどと同じように、直ちに不況が来るとは思えません。むしろ、中国の場合は、眠れる獅子が目覚めて、成長に弾みのつく可能性があります。もちろん、長い目で見れば、やはり、お祭りの後は要注意です。5年先か、10年先かは分かりません。しかし、大きい国ほど、いったん、天井を打った後の下げはかなりの大きいものとなるはずです。このことは頭に入れておいたほうがよいと思います。やはり、人の心には、宴の後の空しさが棲みついているのですから。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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