内視鏡による診断治療の質・検査効率向上を目指した新機能を搭載 次世代の内視鏡システム「EVIS X1」を欧州・アジア一部地域で発売

プレスリリース発表元企業:オリンパス株式会社

配信日時: 2020-04-23 16:00:00

がんなどの早期診断・低侵襲治療に貢献



オリンパス株式会社(社長:竹内 康雄)は、内視鏡システム「EVIS X1(イーヴィス エックスワン)」を2020年4月から欧州・アジア一部地域で発売します。「EVIS X1」は、内視鏡による病変の発見・診断・治療の質や検査効率の向上を目指した新技術を搭載することで、がんなどの消化器疾患の早期発見・早期診断・低侵襲治療に貢献します。当社は、本製品の導入によって内視鏡のリーディングカンパニーとしての位置付けを確固たるものとし、医療を中心とした事業ポートフォリオの確立に一層注力して、世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現を目指します。

▪発売の概要

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※1 ビデオシステムセンター
※2 上部消化管汎用ビデオスコープ
※3 上部消化管汎用ビデオスコープ(高倍率光学ズーム搭載)
※4 大腸ビデオスコープ
※5 高解像度LCDモニター


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▪発売の背景
「EVIS X1」は、従来システム「EVIS LUCERA ELITE」および「EVIS EXERA III」の導入から約8年ぶりにモデルチェンジする当社最上位機種の内視鏡システムです。EDOF(Extended Depth of Field)、RDI(Red Dichromatic Imaging)、TXI(Texture and Color Enhancement Imaging)、狭帯域光観察(NBI:Narrow Band Imaging)など、世界で増加する大腸がんをはじめとする消化器疾患のより高精度な発見・診断・治療を支援する当社独自の技術を搭載しました。

「EVIS X1」は、新機能の導入に加え、「EVIS LUCERA ELITE」と「EVIS EXERA III」という従来別々だった2つのシステムを統合し、それぞれ従来機種のスコープとの互換性も確保しています。これにより、新システムだけでなく2つの従来システムの特長ある幅広いラインアップのスコープをお使いいただけ、内視鏡による診断・治療の可能性が拡大します。

当社は、さらなるイノベーションに対する取り組みとして、人工知能(AI)を取り入れた次世代技術を開発中です。AIを活用した病変検出・鑑別診断などの内視鏡診断支援の実現に向け、新ソリューションの開発に取り組んでいます。

本製品をはじめとした次世代技術の実現により、世界中の内視鏡医をサポートし、内視鏡診断・治療の質的向上を目指します。

▪主な特長の詳細
1. EDOF:Extended Depth of Field
近い距離と遠い距離のそれぞれに焦点が合った2つの画像を同時に取り出して合成することで、リアルタイムに焦点範囲の広い内視鏡画像を得る技術です。本技術を内視鏡に搭載したのは「EVIS X1」が世界初です。これまで、内視鏡検査・治療を行う際、心臓の拍動や腸の蠕動運動がある状況での焦点合わせは、検査時間の延長や医師のストレスを招いていました。EDOFにより明瞭な観察画像が得られることで、内視鏡検査におけるさまざまな課題を解消し、検査時間短縮による効率化や病変の診断精度向上など、より高精度な検査に貢献できるようになります。


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2. RDI:Red Dichromatic Imaging
緑・アンバー・赤の3色の特定の波長の光を照射することで、深部血管や消化管の出血点の視認性の向上を支援する、光デジタル技術を用いた当社独自の新たな画像強調観察機能です。内視鏡治療中に発生する消化管出血により、視野が妨げられ病変部の処置が困難になるケースがあります。これは、治療時間の延長や医師のストレスにつながりますが、RDI観察を行い出血点の特定を支援することで、迅速かつ容易な止血処置をサポートし、より安全で効率的な治療に寄与します。


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3. TXI:Texture and Color Enhancement Imaging
通常光観察下での粘膜表面の「構造」「色調」「明るさ」の3つの要素を最適化する画像技術です。通常光観察では発見しづらい早期がんや前がん病変などに対して、TXIを活用することにより粘膜表面のわずかな構造や色調の変化が強調され、病変の発見率向上が期待されます。


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4. NBI(狭帯域光観察):Narrow Band Imaging
血液中のヘモグロビンに強く吸収される青と緑の特定の波長の光を照射することで、粘膜表層の毛細血管や微細構造が強調表示される当社独自の光デジタル法による画像強調観察機能です。これにより、がんなどの病変の早期発見に寄与します。また、拡大観察を併用することで、病変の悪性度や範囲などの診断をサポートします。NBIは従来システムより搭載している技術です。
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▪大腸がんの早期発見・早期診断への貢献
2018年の全世界における大腸がんの新規罹患者数は180万件に上り、86万2000人の方が命を落とされており※6、さらに2030年までに大幅な増加をすると予測されています※7。一方、大腸内視鏡における医師の腺腫発見率が1%上がるごとに、大腸がんの発生リスクは3%下がるという可能性について報告されています※8。早期発見・早期診断は、大腸がん予防を左右する重要な要素です。「EVIS X1」は、操作性、観察性能、効率性の向上による低侵襲治療をサポートする機能により、大腸がんのより確実な診断や治療に貢献します。
※6 「WHO Cancer Factsheet(WHOがんファクトシート)」より
※7 「Global patterns and trends in colorectal cancer incidence and mortality(大腸がん発症率・死亡率の世界的傾向)」より
※8 参考文献:「Adenoma Detection Rate and Risk of Colorectal Cancer and Death(腺腫発見率と大腸がんおよび死亡のリスク)」N Engl J Med. 2014;370:1298–1306.

本リリースに掲載されている社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。

オリンパスの内視鏡事業について
オリンパスの内視鏡事業は、医療分野における革新的な技術と製造技術で医療従事者のみなさまとともに歩んでまいりました。診断そして低侵襲治療において、より良い臨床結果を生み、医療経済にベネフィットをもたらし、世界の人々の健康やQOL向上に貢献してまいります。1950年に世界で初めてガストロカメラを実用化して以来、オリンパスの内視鏡事業は成長を続けており、現在では、軟性内視鏡、硬性鏡、ビデオイメージングシステムから、システムインテグレーション、医療サービスに至るまで、様々な製品・サービスで医療に貢献しています。詳しくはwww.olympus.co.jp/をご覧ください。

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